【建築設備知識】水槽に使用する電極棒について紹介

こんにちは。

ポンプを計画する際にはどのように制御を行うかを決定する必要がある。
ポンプの制御を行う方法は用途によって様々である。

給水ポンプの場合は、給水二次側の水廻りの要求に合わせて制御を行うことが多い。
(給水二次側の圧力により制御を行う事が多い)

空調用のポンプも給水ポンプ同様に空調二次側の要求に合わせて運転を行うことが多い。

その他には水槽内の水位を制御する場合にはボールタップやフロートスイッチ、電極棒が用いられる。
また、水槽が満水となった際や、反対に減水となった際の警報を検知する計画とすることもある。

今回は電極棒の制御について紹介する。

電極棒の概要

電極棒とは

電極棒とは、左の写真に示す通りの製品である。
電極棒自体は金属でできており、微電流が流れる。
微電流により、水が触れているかどうかを検知し、水槽内がどの水位にあるのかを検出する。
(○○mmといった厳格な水位を把握することはできない。)

電極棒の呼び方

電極棒は本数により2P,3P,4P,5Pなどと呼ぶことが多い。
また、図面上でも2P,3P,4P,5Pと表現されることが多い。

電極棒を設置する理由

電極棒を設置する理由は大きく「水位の異常を検知」することと「制御」を行うことの2種類の意図がある。

水位の異常を検知

電極棒を設置する理由の一つが警報を検知するためである。
例えば、何らかの異常により、水槽の水が溢れそうである場合に異常を検知する。

警報用の電極棒を設置することで、異常が発生した際に、建物管理者が即座に気づくことが可能となる。

制御

2つ目の理由が制御を行うためである。
制御対象はポンプやバルブなどがある。
水槽内の水位を把握し、水位に応じてポンプやバルブの制御を行う。

電極棒と警報

警報を検知可能にするためには、例えば左図に示す電極棒を設置する必要がある。
下から「コモン」「減水警報」「満水警報」の3種類の電極棒(3P)によって構成される。
他にも警報を検知したい場合は電極棒を更に増やして4Pで制御することも考えられる。

電極棒と制御

電極棒により制御を行う場合は、様々な方式が考えられる。
ここでは電極棒により制御する方法の一例を紹介する。

ポンプの制御

例えば、ある水槽から異なる水槽へ水を移送する場合においては、例えば、上図のように電極を設置することがある。
水槽が2槽に分かれているため、各水槽の水位よりポンプの運転方法を決定する。
具体的にはまず、移送先である水槽2が水位が低いときのみポンプを運転可能とする。
そのうえで、水槽1の水位より、ポンプが空転しないときのみ運転させる。

ブロック図で記載すると左図のイメージとなる。
水槽2の状態を判断したうえでかつ、水槽1の状態を判断しポンプの運転を決定する。

バルブの制御

例えば、雨水を水槽へ流入させる計画(雑用水利用)を行う場合には水槽内の水位に応じてバルブの制御を行う。
バルブの制御を行うために、主に満水と減水の電極棒を設置する。

バルブの制御に限ったことではないが、例えば、バルブの制御に警報の検知を組み合わせることも可能である。
例えば左図のとおり、5Pとすることで、警報と制御の両立を行うことが可能となる。

まとめ

今回は電極棒の制御について紹介した。
電極棒を利用すれば、ポンプやバルブ、警報などを思い通りに計画することができる。
そのためまずは、電極棒とその動作イメージについてしっかりと把握することが重要である。

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