設定温度を1℃上げると省エネになる理由 -弱運転では省エネにはならない理由も紹介-

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こんにちは。

最近では電気代が高騰していることから、少しでも電気代を低減したい方が増えている。
その中でもエアコンを使用するかどうかは月々の電気代に大きく影響する。
しかし、年々外気温度が上昇しているため、エアコンを全く使用しない生活を送ること自体かなり難しい。
そのため実情としてはエアコンを使用した上でどのように電気代を抑えるかに注力することとなる。

今回は設定温度を1℃上げると省エネ(電気代を低減)に寄与する理由と、エアコンの弱運転では省エネにはならない理由を紹介する。

建物は様々な熱負荷により室内の温湿度が変化する。
熱負荷とは主に、構造体負荷や外気負荷、窓面負荷が挙げられる。
夏期であれば、照明や、什器の負荷も熱負荷となる。

エアコンの設定温度を1℃上げると省エネになる

エアコンの設定温度を1℃上げると?

例えば夏期の場合、エアコンの設定温度を1℃上げる(室内温度を1℃上げる)と外気との温度差が1℃下がる。
つまり、エアコンにかかる負荷が1℃分低減することとなる。
そのため、その分だけ電気代も低減することとなる。

室内温度変更に伴い変動する熱負荷

室内温度変更により変動する熱負荷について、熱負荷の要素ごとに整理した。
室内温度を変更することで、「構造体負荷」「ガラス面負荷」「外気負荷」を小さくすることができる。

室内温度変更に伴い変動する熱負荷
熱負荷の要素変動の有無
構造体負荷
ガラス面負荷
日射負荷
照明負荷
人体負荷
什器負荷
外気負荷

エアコンの弱運転が省エネにつながらない理由

エアコンの弱運転が省エネにつながらない理由は、室内の熱負荷が一切変更されないためだ。
弱運転の場合、時間をかけながら室内設定温度に近づけるようにエアコンの運転が行われる。
つまり、エアコンを通常運用と弱運用のどちらの場合でも、処理している熱負荷の量が変わらない。
そのため、省エネにはつながらず電力量の削減にも寄与しない。
(厳密にはエアコン自体の運転方法によって、エアコンの効率(COPやAPFと呼ぶ)が若干変わる)

こちらの記事よりエアコンの効率について紹介しているため、興味がある方は参考にされたい。

弱運転で電気代が低減された場合

エアコンを弱運転で運転を行った場合において、電気代が低減されたといわれる方もいるだろう。
これは、エアコンが処理するべき負荷を全て処理しきれていないことが理由だ。
つまり、室内温度が設定温度まで到達していない場合に起こる。
結果として設定温度を変更したことと同じような現象が発生し、電気代が低減される。

まとめ

今回は設定温度を1℃上げると省エネ(電気代を低減)に寄与する理由と、エアコンの弱運転では省エネにはならない理由を紹介した。
設定温度を見直すほかにも適正なエアコンのサイズを導入することによっても、省エネ化や電気代の低減を図ることができる。
以下の記事よりエアコンの適正なサイズを選定する方法を紹介しているため、是非参考にされたい。

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