【豆知識】エアコンの構成を紹介 -仕組みからデフロスト(霜取り運転)等一気に紹介- 2023.09.162024.01.07 【↓エアコン基礎講座一覧↓】(プルダウン) エアコン (7)【エアコンの基礎知識】 ・エアコンの構成、デフロスト ・エアコンの種類 ・適切なエアコンの大きさ ・APFとは ・エアコンと空調機の違い ・エアコンの必要性 ・寒冷地仕様と塩害仕様 こんにちは。エアコンを買い替える時やエアコンに関してふと思うこと。そもそもエアコンの構成は一体どうなっているのか?といったことだろう。一概にエアコンといっても以外にも複雑な構造をしている。普段から使用するエアコンの構造くらいは知っておいても損はしないはずだ。今回はエアコンの構成について紹介する。 コンテンツ エアコンとは?エアコン外部の構成エアコン外部の構成室外機室内機冷媒管冷媒とは?空気ではなく冷媒が使用される理由ドレン管エアコン内部の構成特に寒冷地で見られるデフロスト運転(霜取り運転)とはまとめ エアコンとは? エアコンとはエアコンディショナーの略だ。英語では「Air Conditioner」と記載する。エアコンディショナーとは空気をコンディション。つまり空気を調和することを意味する。これでもまだ分かりづらいだろう。調和とは例えば室内側が要求する温湿度となるように空気を冷やしたり、暖めたりすることを意味する。 近年では当たり前のように外気温度が40℃を超える時代だ。そのため特に夏場においてはほとんどの過程がエアコンを使用しているはずだ。 エアコン外部の構成 エアコン外部の構成 左図にエアコンの外部構成を示す。エアコン各部材を総称した用語だ。エアコンは主に「室外機」「室内機」「冷媒管」「ドレン管」で構成される。 室外機 左の写真が室外機だ。エアコンが設置されている家庭にはたいていの場合は室外機が設置されているはずだ。中央の大きな穴から空気を吹き出す。冷房運転時の場合は外気を吸ってより暖かい空気を吐き出す。暖房運転の場合は外気を吸ってより冷たい空気を吐き出す。 室内機 左の写真が室内機だ。室内機は空調を行う室内に設置されることがほとんどだ。冷房運転の場合は室内の空気を吸い込みより冷たい空気を吐き出す。暖房運転の場合は室内の空気を吸い込みより暖かい空気を吐き出す。 冷媒管 冷媒管は室外機から室内気へ熱を供給する役割がある。冷房運転の場合は室外機で冷媒を冷やす。冷やした冷媒をを室外機から室内機へ供給する。冷房運転の場合は室外機で冷媒を温める。温めた冷媒を室外機から室内機へ供給する。 冷媒とは? 冷媒とはフロンや代替フロンのことで各機器に熱を供給するために使用されるガスのことだ。 空気ではなく冷媒が使用される理由 空気ではなくフロンが使われる大きな理由はその揮発性だ。通常物質は固体、液体、気体などの状態を変化させる。空気の場合は氷点下となっても気体のままだ。だがフロンの場合は状態変化により液体と気体を行き来することが可能だ。この状態変化に伴う熱を利用しエアコンの効率をさらに上昇させている。(細かな内容は割愛する) 冷媒の種類 CFC R11,R12,R113,R114,R115,R13, R500,R501,R502,R503,R505,R506 オゾン層への影響があるため 現在は使用されていない HCFC R123,R124,R141b,R22,R401A, R402A,R403A,R405A,R406A,R408A, R409A,R411A,R412A,R509A オゾン層破壊係数が比較的小さい HFC R23,R32,R125,R134a,R143a R152a,R245fa他 オゾン層破壊係数0 ドレン管 室内の空気と室内機の冷媒が熱交換器を行うことで結露が発生する。具体的には室内の空気を冷却することによりこれ以上冷えきれなくなった空気が結露という現象を起こしながら冷却される。そのため結露を適切に室内から屋外へ排出するためにドレン管を設置する。ドレン管を通じて屋外へ結露水が排出される。 エアコン内部の構成 エアコン内部は主に「熱交換器(凝縮器や蒸発器と呼ばれる)」、「圧縮機」、「膨張弁」等から構成される。冷房運転時の場合は以下のプロセスで室内の空気を冷やす。 冷房までの流れ 1. 圧縮機により冷媒の温度を上昇させる。 2. 外気と高温となった冷媒が交わることで冷媒を冷やす。 3. 膨張弁を介し冷媒の温度を一気に下げる。 4. 室内の空気と冷えた冷媒が交わることで室内の空気を冷やす。 5. 室内空気と冷媒が交わることにより冷媒が暖まる。 以降1.に戻る 暖房運転時の場合は冷房と逆回りで運転される。つまり以下のプロセスで室内の空気を暖める。 暖房までの流れ 1. 圧縮機により冷媒の温度を上昇させる。 2. 室内の空気と高温の冷媒が交わることで室内の空気を暖める。 3. 室内空気と冷媒が交わることにより冷媒が冷える。 4. 膨張弁を介し冷媒の温度を一気に下げる。 5. 外気と冷えた冷媒が交わることで冷媒を温める。以降1.に戻る 特に寒冷地で見られるデフロスト運転(霜取り運転)とは 寒冷地や積雪地で特にみられるデフロスト運転(霜取り運転)について紹介する。エアコンの構造上、暖房時には冷たい外気を室外機が吸い込んでさらに冷たい空気を室外機から吐き出す。つまり氷点下の温度帯の空気を吸い込むとその空気がさらに冷たい温度となり室外機から吐き出されることを意味する。温度が高いほど空気中に含むことができる水分の量が多い。冷却の過程によって空気中に含むことができなくなった水分がやがて霜として室外機廻りに発生する。 霜が発生すると室外機が空気を吸い込めなくなる。つまり暖房ができないことにつながる。それを防ぐために事前にエアコンにはデフロスト運転(霜取り運転)が設定されている。霜取り運転とは簡単に言えば冷房運転を行うことだ。冷媒を逆回転させることで暖かい冷媒を室外機へ供給する。暖かい冷媒により霜を溶かす。冷房運転とはいっても室内機から冷たい風が出てくるわけではない。デフロスト運転(霜取り運転)中は室内機に設置されているファンは停止する。またデフロスト運転(霜取り運転)中は室外機から湯気が発生したり霜がつけることにより水分が滴り落ちる。 まとめ 今回はエアコンの構成について紹介した。本稿を参考にエアコンの基本的な仕組みを少しでも理解いただければと思う。
コメント