こんにちは。
東京や大阪といった場所に住んでいる方はなかなか聞きなれない用語。
それはエアコンの「寒冷地仕様」や「塩害仕様」だ。
初めて聞いた方からすれば一体何ぞや?といった状態だろう。
だが実際にこれらの仕様を必要とする地域からすればごくごく当たり前の仕様であったりもする。
今回はエアコンの「寒冷地仕様」と「塩害仕様」について紹介する。
寒冷地とは
寒冷地といった明確な定義はないが年間を通じての平均気温が10℃未満の地域を指すことが多い。
つまり北海道や東北地域のみならず長野県や山梨県の山岳部も対象地域となる。
エアコンの寒冷地仕様とは
エアコンの寒冷地仕様について紹介する。
エアコンの寒冷地仕様は室外機側の仕様が変わる。
主な仕様の違いは以下の表の通りだ。
一般仕様と寒冷地仕様の違い | |
---|---|
1. | 大きな熱交換器 |
2. | コンプレッサー搭載 |
3. | 凍結防止ヒーターの設置 |
4. | 防雪カバー装備 |
熱交換器とコンプレッサー
どれだけ寒い地域においてもすぐに室内を暖房できるように通常の室外機よりも大きな能力を持った熱交換器とコンプレッサーが設置されている。
凍結防止ヒーター
寒冷地特有で発生するのデフロスト(霜取り運転)を防止するため霜が発生しないように凍結防止ヒーターが設置されていることが多い。
メーカーによっては室外機の熱交換器を2つに分け暖房運転中にも半分はデフロスト(霜取り運転)を行えるようになっていることもある。
防雪カバー
防雪カバーの設置により室外機を雪から守る役割がある。
室外機は特に空気の吸込み部分に根詰まりが発生すると冷暖房ができなくなる。
それを防止するために防雪カバーを設ける。
寒冷地で一般仕様を使用するとどうなる?
暖房運転時の暖房の流れを上図に示す。
暖房時は室外機は外気を吸い込み、さらに冷たい外気を室外機から吐き出す。
その際に外気温度があまりにも低いと室外機に霜が発生する。
霜が発生すると空気の通り道がなくなる。
つまり暖房運転ができなくなる。
これを未然に防止するためにデフロスト運転(霜取り運転)が標準的にエアコンには導入されている。
ただデフロスト運転(霜取り運転)中は暖房運転が一切できない。
つまり室内に暖気が供給されないことにつながる。
これを防止するために各メーカー工夫を凝らして寒冷地でも暖房運転が可能な寒冷地仕様をラインナップしている。
塩害仕様
塩害とは
塩害とは潮風等により機器が錆びついてしまう現象だ。
錆びると機器の効率が落ちるだけでなく、機器の各所の耐久力も低下し機器の故障を誘発する。
塩害地域とは
潮風が影響する以上主に沿岸に近い場所が塩害地域を呼ばれることが多い。
例えば海に囲まれている沖縄は沖縄県全域が塩害地域に指定される。
またその他の多くの場所では沿岸部から1km程度が塩害地域に指定される。
以下にJRA9002(日本冷凍空調工学標準規格)で記載されている仕様のイメージを記す。
塩害仕様と一概に言っても実際には耐重塩害仕様と耐塩害仕様の2種類がある。
エアコンの塩害仕様とは
エアコンの塩害仕様とは基本的に塩害に強い部材を採用することだ。
例えば塩害に強い鋼板を採用することであったり、溶融亜鉛メッキを部材表面に皮膜させる(亜鉛メッキどぶ付け、どぶ付けめっきとも呼ばれる)方法を取ることだ。
とくに土木の分野ではガードレールを含め多くの屋外設置設備に使用されることが多い。
塩害仕様でも定期的な洗浄が必要
塩害仕様とはいえ、長期間にわたり塩分が室外機に固着しているとすぐに錆が発生する。
そのため定期的に真水を使用してエアコンの洗浄を行うなど定期的な洗浄が必要不可欠だ。
まとめ
今回はエアコンの「寒冷地仕様」と「塩害仕様」について紹介した。
本稿を参考に「寒冷地仕様」と「塩害仕様」について理解を深めていただければ幸いだ。
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