こんにちは。
ダクト図を作成していて必ずと言っていいほど使用するチャンバーとボックス。
それぞれの違いが一体何なのかわからないことも多いかと思う。
また普段からそれぞれの違いについて理解していないと説明することも一苦労だろう。
今回はチャンバーとボックスの用途と違いを紹介する。
チャンバーとボックスは実は製品としては同じだ。
そのため正式名称としてはチャンバーボックスと呼ぶ。
つまり上図で示す緑色の箱はいずれもチャンバーボックスとなる。
設置する場所により若干の仕様の違いがあることから呼び名が変わる。
(なお消音エルボは消音に特化したボックスでありチャンバーと呼ばれることはほとんどない。)
例えばガラリにセットで設置されるチャンバーボックスはガラリチャンバー。
空調機に設置されるチャンバーボックスは空調機チャンバー。
制気口廻りに設置されるチャンバーボックスは制気口ボックスと呼ばれる。
チャンバーボックスの名称 | ||
---|---|---|
項目 | 名称 | |
ガラリ廻りのチャンバーボックス | ガラリチャンバー | |
空調機器廻りのチャンバーボックス | 空調機チャンバー | |
ダクト道中の消音用のボックス | 消音エルボ | |
制気口廻りのチャンバーボックス | 制気口ボックス |
チャンバーボックスの役割
一般的なチャンバーボックスの役割
チャンバーボックスの役割を以下に紹介する。
チャンバーボックスは大きく、消音、整流、機器接続、分岐用として使用される。
チャンバーボックスの役割 | ||
---|---|---|
項目 | 内容 | 注意点 |
その1 | 発生騒音の減音 | (吸音材(グラスウール等を内貼りする必要有) |
その2 | 送風空気の整流 | |
その3 | 機器への接続用 | |
その4 | ダクト分岐用 |
保温材料の内貼りと外貼りの使い分けについては以下の記事を参考にされたい。
ガラリチャンバー
ガラリチャンバーは主にガラリに対して接続される。
そのためガラリのサイズとガラリチャンバーのサイズは基本的に合致する。
ガラリからガラリチャンバーを通じて雨が滞留しないようにチャンバー下面に勾配(テーパー)を設ける必要がある。(もしくは水抜き管を設置する)
またガラリチャンバーからダクトを複数接続することが可能だ。
空調機チャンバー
空調機チャンバーは主に空調機器に対して設置される。
空調機器の吸込口・吹出口は空調機器によって様々でありダクトの規格通りのサイズではないことがほとんどだ。
そのため空調機チャンバーを使用し空調機器へ接続する必要がある。
また空調機チャンバー内には消音の観点からグラスウールが内貼りされることが多い。
なお本稿では紹介していないが送風機用のチャンバーボックスも空調機チャンバーと同様の理由により設置される。
消音エルボ
消音エルボは厳密にはチャンバーではないが本稿で併せて紹介する。
消音エルボは専ら送風の騒音を減温するために用いられることが多い。
特に空調機器、送風機期からの騒音はダクト内や制気口を通じてダイレクトに室内で発生する。
そのためダクト内の道中に消音エルボを用いることが多い。
(官庁案件では空調機吐出側に2箇所程度設ける場合が多い)
制気口ボックス
制気口ボックスは主に空気の整流や空気の消音を行うために設置される。
そのため制気口毎に制気口ボックスが設置される。
まとめ
今回はチャンバーとボックスの用途と違いを紹介した。
本稿を参考に各チャンバーボックスについての理解を深めていただければと思う。
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