建築設備でよく使用される配管 -SGP白管 SGP黒管 STPG管 SGPW管の違い

こんにちは。

建築設備で使用される配管だが様々な種類がある。
現場に出て普段から配管に触れているような環境であれば違いが分かりやすいだろう。
だが設計しか行っていないような場合は配管の違いがよくわからないことが実情だ。

今回は建築設備で使用される配管 SGP白管、SGP黒管、STPG管、SGPW管を紹介する。

SGP白管、SGP黒管、STPG管、SGPW管って?

SGP管、STPG管、SGPW管はいずれも鋼管の仲間だ。
鋼管というカテゴリの中にそれぞれの配管が存在することになる。
SGP管は配管用炭素鋼鋼管と呼ばれる。
SGPG管は圧力配管用炭素鋼鋼管と呼ばれる。
SGPW管は水道用亜鉛めっき鋼管と呼ばれる。

なおSGPは Steel Gas Pipe の略だ。
STPGは Steel Tubing Pipe General の略だ。
SGPWは Steel Gas Pipe (for) Water の略だ。

配管用炭素鋼鋼管 白管 SGP-白

出典:
https://www.monotaro.com/g/00187563/

配管用炭素鋼鋼管のうち白管は炭素鋼鋼管の内面および外面に亜鉛メッキを施した配管だ。
そのため配管用炭素鋼鋼管の黒管よりも腐食性に優れる特徴がある。
通常白ガス管と呼ばれる。

項目特徴
配管の特徴炭素鋼鋼管 + (内面)亜鉛メッキ + (外面)亜鉛メッキ
使用可能温度-15℃ ~ 60℃
(60~100℃の間では腐食が発生しやすい)
耐圧1.0 MPa
主な用途(空調)冷温水配管、冷却水管、ドレン管
主な用途(衛生)排水管、通気管、消火管、ガス管
使用箇所屋内配管

配管用炭素鋼鋼管 黒管 SGP-黒

出典:
https://www.monotaro.com/g/00403038/

配管用炭素鋼鋼管のうち黒管は炭素鋼鋼管に防錆塗装のみを施した配管だ。
通常黒ガス管と呼ばれる。

項目特徴
配管の特徴炭素鋼鋼管 + (内面)なし + (外面)防錆塗装
使用可能温度-15℃ ~ 350℃
耐圧1.0 MPa
主な用途(空調)蒸気管、油管、ブライン管
主な用途(衛生)蒸気管、油管
使用箇所屋内配管

圧力配管用炭素鋼鋼管 STPG

通常の炭素鋼鋼管にさらに耐圧が求められる場合は圧力配管用炭素鋼鋼管が用いられる。
この圧力配管用炭素鋼鋼管は引っ張り強さにより以下の二種類に分けられる。

配管名称 引っ張り強さ
STPG 370 370 N/mm2以上
STPG410 410 N/mm2以上

さらにそれぞれの配管に白管と黒管の2種類が存在する。
主に建築設備業界ではSTPG370-白管が使用される。

項目 特徴
STPG – 白管 炭素鋼鋼管 + (内面)亜鉛メッキ + (外面)亜鉛メッキ
STPG – 黒管  炭素鋼鋼管 + (内面)なし + (外面)防錆塗装

圧力配管用炭素鋼鋼管の耐圧は配管の厚み毎に異なる。
Sch10,Sch20,Sch40などと呼ばれる。
建築設備業界ではSch40が使用されることが多い。

スケジュール許容圧力 (目安)
Sch101.0MPa
Sch202.0Mpa
Sch404.0Mpa
Sch808.0Mpa

Sch = 設計圧力[MPa] ÷ 配管の許容引張応力[N/mm2] x 1,000 で計算可能だ。

水道用亜鉛メッキ鋼管 SGPW

水道用亜鉛メッキ鋼管は主に昭和30~40年頃に水道用の配管として使用されていた。
しかし現在では水道に対して使用は禁止されている。
鋼管に付着させた亜鉛が経年劣化により亜鉛が水内に溶けることが大きな理由だ。

各配管のコスト差

白管は亜鉛メッキを施している。
そのため相場としては白管の方が黒管よりも3割程度高い。

まとめ

今回は建築設備で使用される配管 SGP白管、SGP黒管、STPG管、SGPW管の種類を紹介した。
配管毎に様々な特徴がある。
そのため用途や据付場所に合わせて使い分けていただければと思う。

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