こんにちは。
いざ設計業務を始めてみると一体どんな順序で物事を考えたらよいかわからなくなることも多い。
特に設計業務では基本計画(基本構想)や基本設計、実施設計、積算業務等設計業務の中に様々なスキームが存在する。
今回はその中でも機械設備に関する積算の実施内容について紹介する。
積算とは大きな枠組みでいえば設計の業務内に分類される。
設計は大きく基本設計、実施設計、積算に分類される。
(実際には積算は実施設計の中に含まれることが普通)
その中でも積算では設計図に基づいた適正な機械設備工事費用の算出を行う期間となる。
積算で行う主な内容は以下の通りとなる。
積算でやること その1 拾い
積算では最初に設計図に基づきダクトや配管、機器の数量の拾いを行う。
具体的にはダクトであれば設計図のダクトの長さを一辺ずつ長さを記載する。
ダクト以外にもダンパーや制気口等の数量を洗い出す作業が拾いだ。
拾い方としては各長さを拾ったらダクトや配管に引き出し線を引き長さを記載する。
たてダクト、たて配管となる部分は拾った長さに○印をつけることが多い。
その他にVDやバルブなどのダクト、配管附属品は●印を記載することが多い。
最近では積算専用のソフトを使用することが多い。
積算ソフトで拾いを行うとソフト側で集計まで自動計算してくれる。
そのため大幅な時短を図ることができる。
積算でやること その2 集計
ダクトや配管を拾ったら次に数量を集計する必要がある。
この集計した資料は通常数量調書と呼ばれる。
具体的にはダクトであればダクトの種類別(OA,EA等)に拾い書を作成する。
また保温の有無でもそれぞれ分けて拾い書を作成する必要がある。
拾い書の作成が完了したら次に集計書を作成する。
集計書では複数の拾い書から共通の仕様のダクトや配管をひとまとめにする作業だ。
例えば上の例であれば拾-2~拾-4までは200φ、保温GW25tとダクトの材料としては同じだ。そそのため集-1としてダクト長を集計することとなる。
積算でやること その3 単価の設定
工事費の積算を行うためには各材料の単価の決定は必要不可欠だ。
材料毎に単価の設定を行う必要がある。
会社により独自に単価を持っている場合も多い。(特にゼネコンやサブコン)
もし単価を持っていない場合は何らかの書籍から単価を引用する必要がある。
通常用いられることが多い書籍は以下だろう。
①Web建設物価
一般財団法人建設物価調査会が定期的に発行している建設物価だ。
最近では書籍だけでなくweb上で検索も行うことが可能だ。
②機会設備工事積算実務マニュアル
積算でやること その4 見積り
各設備機器については前項で紹介した物価本には記載されていないことがほとんどだ。
そのため設備機器ごとに各メーカーへ見積依頼を行う必要がある。
なお官庁案件では以下のURLに紹介する機械設備機材等評価名簿に記載されているメーカーから見積依頼を行うこととなる。
積算でやること その5 内訳書
物価本による単価設定、見積による単価の決定、拾いによる終了の洗い出しのすべてが完了して初めて内訳書を作成することが可能だ。
内訳書は工事費算出の根拠として使用される。
各材料の必要数量と各単価を掛け合わせて工事費が算出されることとなる。
なお内訳書で初めて材料以外の費用である仮設費や管理費などが計上される。
まとめ
今回は機械設備に関する積算の実施内容について紹介した。
積算業務は工事費を確認するために最も大切な業務の一つだ。
そのためまずは積算業務の大きな流れを把握いただければと思う。
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