こんにちは。
普段様々な設計図を眺めていると何のためにこんなところにダンパーがあるの?などと不思議に思ったことはないだろうか。
VDをはじめCDやMDなど様々なダンパーがある。
これらは調整用や制御を行うために使われるダンパーだ。
一方で法的に必要なダンパーもある。
それはFDだ。
計画通知や確認申請の際にFDの数量や位置が正しいかについて必ずチェックが入る。
それだけ大切なダンパーだ。
今回はFDの役割とその設置箇所例について紹介する。
(参考)FD以外のダンパーについても一通り知りたい方は以下のリンクから確認頂ければと思うF
FDはFire damperと表記する。
主に防火区画の貫通処理に用いられる。
防火区画は建物内で火災が発生した時に火災を最小限に抑える役割を持つ。
防火区画を貫通する部分にダクトがある場合はダクトを通じて他の防火区画へ火災が流出することを防ぐ必要がある。
そのためにダクトの貫通部にFDが設けられる。
火災時にFDが閉となることで火災の伝搬を防ぐ。
具体的にはFD内に温度ヒューズが設けられている。
温度ヒューズの溶解温度は72℃だ。
ダンパー内部が72℃に到達したときに温度ヒューズが溶解しダンパーが自動的に閉となる仕組みだ。
なおFDは法的(建築基準法)に定期点検(年1回)を行う必要がある。
FDの設置箇所例
次にFDの設置場所例を紹介する。
防火区画貫通部
防火区画貫通部にFDを設ける必要がある。
防火区画は主に面積区画や水平区画から形成される。
とりあえず防火区画貫通部は無条件でFD等のダンパーが必要だと覚えておくとよいだろう。
なお防火区画貫通部はダクトの厚さも変わる。
通常0.5mmt等でダクトが据え付けられることが多い。(ダクトのサイズによる)
だが区画貫通部だけは1.6mmtのダクトを使用する必要がある。
114条区画貫通部
114条区画貫通部にもFDを設ける必要がある。
あまり聞きなれない方も多いかもしれない。
114条区画とは建築基準法令114条に記載されている。
主に保育園や学校、その他福祉施設等に設けられることがある区画だ。
延焼の恐れがある部分
建物が密集しているような地域では延焼ラインが発生する可能性もある。
延焼ラインに係る場合もFDが必要だ。
延焼ラインとは隣接した建物からの火災による火災の延焼を防止するために設けられている。
主に隣との建物の距離が近い場合に発生する。
熱源機械室等
消防指導の範疇になることも多いが熱源機械室等の外壁部から外気を取り込む場合、もしくは排気する場合にもFDが必要なケースがある。
細かくは案件ごとに所轄消防署へ確認が必要だ。
まとめ
今回はFDの役割とその設置箇所例について紹介した。
法的なダンパーであるため忘れずに設計図へ盛り込むようにされたい。
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