こんにちは。
設備設計にてこれから従事するにあたり最初の関門であろう空気線図の読み方について。
空気線図を使いこなすどころかそもそも空気線図が何を示しているかすらよくわからない方もいることだろう。
空気線図が使えるようになると様々な空気の状態を空気線図を用いて理解できるようになる。
そのうえに運用時に結露などのトラブルが発生した時の対処方法やや実験室など特殊な空調が必要な室に対しての対応策についても考えられるようになる。
空気線図一つで実に様々な事柄に応用が可能だ。
今回はそんな空気線図の基本的な読み方について紹介する。
空気線図はどのようなものかをまず紹介する。
通常我々が用いる空気線図とは図に示すものを用いる。
この空気線図内の一点にある空気があるとしたときに温度や湿度等様々な情報をこの空気線図から読み取ることができる。
空気の情報を読み取るためには縦横軸以外にも斜めの線があったり曲線があったりもするこのグラフから情報を読み取らなくてはならない。
この複雑なグラフを見るだけで気が滅入るかもしれないが次項以降でこの空気線図の各線の意味について紹介する。
設備設計で使用する空気線図の範囲
まずは設備設計において使用する空気線図の範囲について紹介する。
先ほども紹介した通り空気線図には様々な傾きの線や曲線などがある。
但し基本的にはこちらのポンチ絵で示す通り空調設計において実際の設計で必要な部分はこれだけだ。
(その他露点温度、SHFなど使用するケースもあるだろうがまずは図中に示す各用語を理解いただければと思う)
①乾球温度
乾球温度といわれてなじみがない方も多いかと思う。
乾球温度は通常一般の方が言う温度と同義だ。
なぜ乾球温度といった言い方をするのか。
それは温度には乾球温度だけでなく湿球温度といった言葉も存在するためだ。
そのため通常一般に言われる温度については乾球温度と呼ばれている。
なお乾球温度は空気線図上で横軸で示され、図中⇒側へ行くほど乾球温度が高い。
単位は[℃]だ。
建築の業界ではせいぜい-10℃程度から上でも50℃程度を扱うことが多いと思う。
②相対湿度
通常一般に言われる湿度とはこの相対湿度のことを指す。
例えば湿度20%,40%などといった表現だ。
ただここでもなぜ湿度をわざわざ相対湿度と表すのだろうか。
それは湿度にも温度同様に2種類あるからだ。
相対湿度の他には後程紹介する絶対湿度という言葉がある。
絶対湿度については後程また紹介する。
相対湿度が空気線図上で示されている位置についてだがこれが一つ目の理解しづらい要因だ。
図中左上にいくほど相対湿度が高いことを示す。
単位は[%]となる。
③絶対湿度
先ほどの相対湿度の項目で少し紹介した単語だ。
普段の生活ではまず聞くことのない単語だろう。
全ての空気は基本的に水分を含んでいる。
空気中に含むことができ水分のうち実際に空気が含んでいる水分の割合を相対湿度という。
一方で実際に含んでいる水分の量を絶対湿度という。
絶対湿度は空気線図上縦軸で示され、単位は[kg/kg]という単位を用いる。
図中上に行くほど絶対湿度が高いこととなる。
相対湿度と絶対湿度の違いについてより深く学びたい方はこちらから。
④比エンタルピー
恐らくこちらも初めて聞く単語だろう。
比エンタルピーとはいわゆる空気の持つエネルギー量を示す。
単位は[kJ/kg]で示される。
空気線図上では右肩下がりの直線で示される。
空気線図中右上に行くほど比エンタルピーが高いことになる。
比エンタルピーについて学びたい方はこちらから。
まとめ
今回は空気線図の基本的な読み方について紹介した。
まだまだ基礎的な部分のみの紹介のみではあるが基本が理解できていないとその先の内容を理解することは難しいのでゆっくりとでも着実に身につけていただければと思う。
なおこちらに空気線図特集ということで空気線図専用ページを紹介しているのでご確認いただければと思う。
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