こんにちは。
最近ではパッケージエアコンの成績係数(COP)が徐々に改善されていることを背景に比較的大規模な建物でも個別熱源による空調システムとすることが増えてきた。
特に最近ではCOPが3.0を大幅に超えるパッケージエアコンが多い。
そんなパッケージエアコンだが地域によりCOPが大きく変動する。
特に暖房時においては外気温度がパッケージエアコンのCOPに与える影響が大きい。
そのため今回はCOPの意味と暖房時におけるCOPの推移について紹介する。
成績係数(COP)とは空調機や熱源機などの効率を示す指標となる値だ。
成績係数(COP) =能力[kW]÷ 消費電力[kW] で示される。
例えば 冷房能力50kWの時の消費電力が15kWであれば
成績係数 = 50÷ 15 = 3.33
ということになる。
また少し本題から外れるが一次エネルギー換算COPというものも存在する。
先ほどのCOP算出に使用した数値は実際に消費した電力から計算されているがこの電力はもともとは発電所から送電されている。
その発電所での消費エネルギーを求めることで環境負荷にどれだけ寄与したかがわかるようになる。
なお発電所からの送電効率は一般に36%程度といわれている。
一次エネルギー換算COP=能力[kW]x3,600[kJ/kW]÷(消費電力[kW]x9,760[kJ/kW])
で求めることができる。
先ほどの室外機であれば
一次エネルギー換算COP=50 x 3,600÷ (15 x 9,760) = 1.23
となる。
概要
今回は延べ面積30,000m2の建物とする。
使用する気象情報は気象庁HPで公開されているは2020年の1年間を1時間ごとに抽出した気温と相対湿度とする。
暖房期間は東京については12月~3月、札幌については11月から4月としそれぞれ空調時間帯は8時から19時までとする。
また土日は空調を行わないものとする。
その他人員数は平米あたり0.1人とし単位外気量は30CMHとする。
照明や什器負荷等については”省エネルギー基準に準拠した算定、判断の方法および解説”によることとする。
暖房時における室外機の定格COPは4.0とする。
室外機の能力特性については公開できないのでご了承いただきたい。
試算 -東京-
まずは東京の場合を紹介する。
横軸にパッケージエアコン運転時における負荷率を示し縦軸に単体COPを示す。
また軸毎に発生頻度を合わせて示す。
暖房時における定格COPは4.0としたうえで暖房期間中の試算を行った。
約80%付近が最も効率が高い結果となり平均COPは3.83となった。
試算 -札幌-
次に札幌の場合について試算結果を示す。
負荷率約40%~60%付近にて最高効率となった。
また東京に比べ比較的負荷率が多い時間が多い。
平均COPは3.28となった。
まとめ
今回は暖房時におけるCOPの推移について紹介した。
あくまでも試算値のため実際とは大きく異なる可能性こそあるが地域により年間平均COPが異なることが示唆された。
また地域により最高効率である部分の負荷率が異なることが示唆された。
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