こんにちは。
建物によく設置されることが多い換気扇。
比較的小さな容量の製品から事業者向けの製品まで様々な種類がある。
そんな換気扇だが換気扇を設置する際に戸惑うこと。
それはP-Q線図(風量と-静圧で構成されるグラフ)の読み方だろう。
必要静圧を厳格に求めようとすると本来であれば静圧計算を行う必要がある。
だが一般に建築設備に関する知識がない方は静圧計算を行うことはほとんど不可能だろう。
そのため各メーカーのP-Q線図では配管径毎かつダクト長さ毎に必要な静圧が併記されていることが多い。
今回は換気扇(天井扇)の選定に必要なP-Q線図の読み方を紹介する。
例えば同じ換気扇が2つ設置されておりそれぞれにダクトが設置されているとする。
但しそれぞれのダクト長は異なる。
同じ換気扇であれば接続されているダクトが長い方が抵抗が大きくなる。
そのため換気扇から実際に引っ張ることができる風量が小さくなる。
これが静圧だ。
静圧とは空気をどれだけ押すことができるかを示す。
つまりダクトによる抵抗を踏まえて実際に換気扇を選定する必要がある。
正しく選定できないと必要な風量を得られない可能性がある。
詳しくは以下で紹介しているので参照頂ければと思う。
P-Q線図の読み方
P-Q線図は通常横軸に風量、縦軸に静圧を示す。
P-Q線図には機器の性能が記される。
左図の場合だと曲線の部分が機器の性能だ。
静圧(抵抗)が大きくなるほど機器から得られる風量が小さくなる。
多くの設備設計者は先ほどのグラフから機器選定を行うことができる。
だが一般の方が静圧計算を行うことは難しい。
左図にP-Q線図にダクトサイズ毎の静圧を付記した。
風量が大きくなるほど、ダクト内の風速が上昇し必要な静圧は大きくなる。
またダクトが長いと必要な静圧が大きくなる。
なおこの線は多くの換気扇カタログに記載されている。
実際に風量と静圧を記載した。
【ダクト径が100φで長さが10mの場合】
静圧が50Paとなり実際に得られる風量が300CMHとなる。
【ダクト径が100φで長さが20mの場合】
静圧が80Paとなり実際に得られる風量が250CMHとなる。
※普通ダクト長さが倍の場合は静圧も倍だがあくまでも一例だ。
そのため細かなことは無視してほしい。
まとめ
今回は換気扇(天井扇)の選定に必要なP-Q線図の読み方を紹介した。
必要な静圧をあらかじめを見込んでおかないと実際に風量が不足する可能性がある。
そのため事前に各メーカーのカタログを確認し、必要静圧と実際の風量を確認することをお勧めする。
コメント