こんにちは。
海外の設計を行う上で宗教を気にかけることはとても大切だ。
宗教は彼らのルーツでもあるため、その常識に沿って計画を行う必要がある。
その中でもイスラム圏ではお祈りを行う方が多い。
通常イスラムの方が使用する建物には祈祷室を設けることが多い。
(日本の空港にも祈祷室が設けられている。)
その他にもイスラム圏ではトイレの計画についても配慮が必要だ。
今回はメッカの方角とトイレの計画について紹介する。
メッカとは、サウジアラビアにある都市の名前のことだ。
イスラム教の聖地であり、 イスラム教を創始した預言者ムハンマドが生誕した地でもある。
そのため世界中から世界中からイスラム教の信者が巡礼に訪れる。
(イスラム教徒をムスリムと呼ぶ。)
ムスリムはカーバ神殿の方角へお祈りをする
ムスリムはサウジアラビア西部に向かってカーバ神殿へ向かってお祈りを行う。
1日に5回礼拝を行うことが定められている。
そのため仕事中であろうとお祈りを行う。
日本とサウジアラビアのカーバ神殿の位置関係は左図の通りだ。
出典:http://www.enjoy.ne.jp/~k-ichikawa/index.html_地球上の2点間の距離・方位を求める>
地球儀で確認すると日本からおおよそ「西北西」の位置にカーバ神殿があることが確認できる。
お祈りの方角とトイレの配置計画
次にトイレの配置計画を紹介する。
トイレには必ずといっていいほど大便器が設置される。
その大便器を設置する方角はメッカの方角であってはならない。
つまり、メッカに対してお尻を向けてはならない。
例えば左図のように人が座る大便器の方角とメッカの方角が同一の方角はよろしくない。
大便器の形式も確認しよう
ムスリムの方が使用するトイレは日本でいう和便器のようなものを使用することが多い。
特に左の写真のタイプでないと落ち着かないという方もいるくらいだ。
そのため設計時に必ず便器の種類を確認することが大切だ。
また上の写真の通り、便器の隣にはシャワーが必要なことが多い。
クライアントにもよるかとは思うが、お湯が必要なケースもあるため注意が必要だ。
なお、ノズルはいわゆるジェットタイプになる。
日本で設置する場合は、製品の有無や接続部の規格(JISやDN等)についても確認が必要だ。
まとめ
今回はメッカの方角とトイレの計画について紹介した。
特に海外の方を対象に建築計画を行う場合は、彼らの常識を尊重することが重要だ。
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