こんにちは。
普段設計を行うときにはファンを選定しダクトのサイズやルートを選定する。
ファンを選定する過程で静圧といったものも併せて決定する必要がある。
その静圧計算を行う上でややこしいこと。
それは全熱交換器の静圧計算を行う場合だろう。
例えばファンであればファンに接続されているダクトを全て静圧計算の対象にすればよい。
ただ全熱交換器の場合はどうか。
全熱交換器のダクト接続形の場合だとOA,SA,RA,EAの計4本もある。
一体どこからどこまでを静圧計算の対象としてよいかよくわからない方も多いだろう。
今回は全熱交換器の仕組みを紹介したうえで静圧計算の対象範囲の考え方を紹介する。
なお静圧がよくわからない方はまずはこちらを確認されたい。
全熱交換器は内部に2つのファンを抱えている。
1つ目のファンはOA、SAの空気のやり取りに使用される。
2つ目のファンはRA,EAの空気のやり取りに使用される。
これら2つのファンが同時に動いたり停止することで全熱交換器の役割を果たしている。
また全熱交換器内部に設けられているエレメントと呼ばれるものを通じてそれぞれの空気が熱交換を行っている。
全熱交換器の静圧計算の範囲(ダクト接続形全熱交換器編)
次に全熱交換器の静圧計算の範囲について紹介する。
前項での説明で既にピンときた方もいるだろう。
前項ではファンが2つありそれぞれファンを通じて空気が流れる部分を紹介した。
全熱交換器は以下についてそれぞれ静圧計算を行う必要がある。
・SA+OA部分の静圧計算
・RA+EA部分の静圧計算
とはいえ特注対応でもない限り全熱交換器内部のファンをそれぞれ変更することは難しい。
そのため上記2種類の静圧計算を行った結果、静圧をより必要とする側の静圧計算を採用することとなる。
これだけだとわかりづらいかと思うので一例を紹介する。
例えば図示するように設備計画が行われているとする。
またOA部分およびSA部分の必要静圧がそれぞれ50Paとする。
一方RA部分およびEA部分の必要静圧がそれぞれ30Paとする。
この場合はより大きい静圧であるOA部分およびSA部分の計100Paを採用することとなる。
全熱交換器の静圧計算の範囲(カセット形全熱交換器編)
続いてカセット形の全熱交換器について紹介する。
カセット形の場合はSAおよびRAのダクトが存在しない。
一方で全熱交換器の性質上ファンは2つ設けられている。
そのため以下の条件ごとに静圧計算を行いより静圧が高い方を採用すればよい。
・OA部分の静圧計算
・EA部分の静圧計算
まとめ
今回は全熱交換器の仕組みを紹介したうえで静圧計算の対象範囲の考え方を紹介した。
本稿の内容をまとめると以下の通りとなる。
ダクト接続形全熱交換器の静圧計算
①SA+OA部分の静圧計算
②RA+EA部分の静圧計算
上記①②の大きい値を採用。
カセット形全熱交換器の静圧計算
①OA部分の静圧計算
②EA部分の静圧計算
上記①②の大きい値を採用。
原則は上記方法で求めることになる。
全熱交換器はもともと機外静圧が小さい機器なので何度も計算し間違えることの内容にされたい。
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