主要都市の降水量の推移 2025.09.01 こんにちは。異常気象の多発に伴い近年では集中豪雨による被害が増えている。集中豪雨により竪樋を流れる排水がオーバーフローしたり、敷地内の浸水被害が発生することがあるそのため、設計を行う上ではこれらの集中豪雨に対しても何かしらの対策を考えるが重要である。今回は主要都市の降水量の推移について紹介する。 コンテンツ 降水量の概要降水量とは降水量の用途年間降水量10mm最大降水量年度別月別降水量まとめ 降水量の概要 降水量とは 降水量とは、大気中の水分が冷やされて凝結し、雨や雪、みぞれなどの形となって地表に到達した水の量を示すものである。測定は雨量計を用いて行われ、単位は地表面に均等に広がった場合の水の深さ(mm)で表される。たとえば降水量10mmとは、1平方メートルあたり10リットルの水が降り積もったことに相当するものである。降水量は気象現象の把握だけでなく、治水や農業計画、都市インフラの設計においても欠かせない基礎的な指標である。 降水量の用途 降水量は、主に二つの用途で利用されるものである。一つは雨水排水設計においてであり、降雨時に建築物や都市空間で発生する雨水の流出量を予測し、適切な排水設備を計画するために用いられる。もう一つは雨水を水源とする雑用水利用であり、貯留した雨水をトイレ洗浄や散水などに再利用する際の基礎データとして活用される。例えば、福岡市においては節水条例である特定の規模の建物においては雑用水利用を行うことが条例で定められている。このように降水量は、防災や都市環境の持続性に直結する重要な指標である。 降水量の用途 その1 雨水排水設備の検討 その2 雨水利用設備の検討 年間降水量 2000年から2024年度における主要都市別の年間降水量を示す。また、2000年から2024年度における主要都市別の年間降水量の近似曲線を示す。札幌および仙台は年度ごとに年間降水量が減少している。一方で、それ以外の都市(東京、大阪、福岡、那覇)においては、年度ごとに年間降水量が増加している。 10mm最大降水量 次に2000年から2024年度における主要都市別の年度別10分間降水量の最大値を示す。また、2000年から2024年度における主要都市別の年度別10分間降水量の最大値の近似曲線を示す。東京は年度ごとに10分間降水量の最大値が減少している。一方でそれ以外の都市(札幌、仙台、大阪、福岡、那覇)においては年度ごとに10分間降水量の最大値が増加している。 年度別月別降水量 主要都市別の年度別月別降水量[mm/月]を示す。いずれの地域においても春先から夏にかけて降水量が多く、冬期においては比較的降水量が少ないことがわかる。 まとめ 今回は主要都市の降水量の推移について紹介した。過去の文献だけをベースに雨水排水設計を行うだけでなく、今後の降水量の傾向も設計に取り入れることが重要だろう。
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