ダクトでよく用いられるアスペクト比について紹介 2024.09.07 【↓ダクト講座一覧↓】(プルダウン) ダクト設備 (34)【ダクトの基礎】 ①ダクトの役割と仕組み ②ダクトの材料 ③ダクトの吊りと接続方法 ④保温の必要性 ⑤空調ダクトと換気ダクトの違い ⑥様々なダンパー ⑦VDの役割と設置例 ⑧CDの役割と設置例 ⑨MDの役割と設置例 ⑩FDの役割と設置例 ⑪HFDの役割と設置例 ⑫SFDを設けるケース ⑬HFDの設置位置と耐火ダクト ⑭FDを設けるかダクト迂回か ⑮CAVとVAVの役割と設置例 ⑯ガラリの役割 ⑰ベントキャップの役割 ⑱制気口の種類と使い分け ⑲制気口BOXの役割 ⑳制気口の結露防止 ㉑保温内貼り、外貼りの使い分け ㉒ブリーズライン上部のBOX ㉓アスペクト比【ダクトの計画・大きさ】 ①ダクトの大きさの決め方 ②矩形ダクトとスパイラルダクト ③ガラリの大きさの決め方 ④制気口の位置の決め方 ⑤制気口の大きさ計算方法 ⑥制気口の大きさ計算ツール ⑦制気口ボックスの大きさ計算方法【ダクトの描き方】 ①ダクト図の描き方 ②制気口リストの作り方 ③ガラリチャンバーリスト ④ダクトの描き方_枝ダクト こんにちは。ダクトの計画を行う際によく、「アスペクト比」といった用語が使用されることがある。特に天井裏等の納まりが厳しいときに「アスペクト比」が使用される頻度が増える。「アスペクト比」とは簡単に言えばダクトの幅と高さの比のことであるが、そもそもどういった意図でアスペクト比が用いられているのかもわからない方が多いだろう。今回はダクトのアスペクト比について紹介する。 コンテンツ アスペクト比ダクトにおけるアスペクト比標準仕様書におけるアスペクト比アスペクト比の計算方法アスペクト比と必要静圧まとめ アスペクト比 アスペクト比とは縦横比のことをいう。そのため、実務では「ダクトの縦横比」などとよばれることも多い。たとえば、モニターやパワーポイントの縦横比をイメージしていただくとわかりやすいだろう。これらではよく、4:3や16:9といった比が用いられる。アスペクト比とは英語で「Aspect Ratio」という。 ダクトにおけるアスペクト比 ダクトにおけるアスペクト比も前項同様に縦横比に対して1:1や2:1といった比が用いられる。 標準仕様書におけるアスペクト比 官庁施設で用いられることが多い標準仕様書にアスペクト比に関する規定が記載されている。具体的には矩形ダクトのアスペクト比は原則として4以下とする旨の記載がある。理由としては、アスペクト比が大きくなるほど、ダクト自体が簡単に潰れてしまう恐れがあるためである。 アスペクト比最大4:1以下 アスペクト比の計算方法 アスペクト比の計算方法は以下のとおりである。 アスペクト比の計算方法 (a/b):1 a=ダクトの高さと幅の大きい方[mm]b=ダクトの高さと幅の小さい方[mm] アスペクト比の計算例は以下のとおりである。 ダクト径 アスペクト比の計算式 アスペクト比 300:300 (300/300):1 1:1 200:400 (400/200):1 2:1 300:1,200 (1,200/300):1 4:1 a=ダクトの高さと幅の大きい方[mm] b=ダクトの高さと幅の小さい方[mm] アスペクト比と必要静圧 物理的にはダクトの面積が同じであれば、同じだけの風量を得ることができるとは思われるだろう。しかし、実際にはダクトの形状により空気がダクトの表面に接する面積が異なる。そのため、アスペクト比によって必要な静圧が異なることが考えられる。 実際に2,750m3/hでダクト径が400×400と800×200の場合では、400×400の方が圧損が小さい傾向にある。つまり、アスペクト比が小さいほど、圧損が小さく効率が高くなる。 まとめ 今回はダクトのアスペクト比について紹介した。アスペクト比については4:1を超えないように計画を行うことが重要である。ダクト径が800×200のときに4:1のように、短い方のダクトの寸法(200mm)の4倍(800mm)までといった覚え方をすれば、計算自体は難しくないだろう。
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