こんにちは。
普段建物を見渡しているとなぜ外壁のこんなところやあんなところにガラリがあるのかとふと思ったことがあるだろう。
ガラリは建物を運用するうえで必要不可欠なものだ。
特に設計を始めて間もないころはガラリの役割もよくわかっていないことも多いだろう。
今回はそんなガラリの役割について紹介する。
まずガラリそのものについて紹介する。
ガラリとは図のように断面的に室内と外部をつないでいるものを指す。
ガラリはある程度のピッチのルーバーで形成されている。
このガラリを介して室内と外部の空気をやり取りしている。
ガラリの役割
先ほども若干触れたが室内と外部の空気をやり取りするためにガラリを設ける。
先ほどの図ではガラリがありダクトが設置されファンが直列に並んでいる。
(厳密にはガラリチャンバーを介すがここでは割愛する)
さらにファン以降またダクトがあり制気口が設置される。
この制気口は室内天井に設置される。
その制気口からガラリまでの各部材により空気を流出入させている。
空気の流出入が必要な理由
空気の流出入(以降:換気)が必要な理由は臭いがよく発生するトイレで想像してみるとわかりやすいだろう。
もしトイレに換気がない場合どうなるだろうか。
トイレでは様々な排泄物が臭いを発生させる
その臭いがトイレの中に充満し徐々に臭いが染みついてしまう。
(花火大会などで設置される仮設トイレをイメージするとわかりやすいかもしれない)
その臭いを室内から除去するために換気が必要となる。
また換気がないことによる影響は他にもある。
換気がないということはトイレ室内に臭いが充満するということだ。
その臭いがずっとトイレの中に充満しているだけならよいかもしれない。(よろしくはないが)
ただしトイレの扉を介して人の出入りがある。
人の出入りがあるということは空気もそれに合わせて動くということだ。
結果トイレに隣接する廊下やその他居室へ臭いが漏洩することとなる。
そういった衛生上の理由からも換気が必要だ。
ガラリでなくてもよい
空気の流出入はガラリでないといけないのかといったことを思う方もいるだろう。
厳密にはガラリでなくてもよい。
例えば同じ機能を有するものとしてベントキャップがある。
ガラリとするかベントキャップとするかは外観の好みによるところだろう。
また窓を開けるだけでも良いのではと思われる方もいるかもしれない。
窓を開けることによる換気(自然)も有効ではあるだろう。
但し換気の量がファン(機械)により制御されるものと比べると効果が高いとは言えない。
また国交省から発刊されている建築設備設計基準にはファンによりある一定以上の換気を行いなさいと推奨されている。
そのためファンにより強制的に換気をすることが望ましい。
なおベントキャップについて詳しく知りたい方はこちらを参照頂きたい。
まとめ
今回はガラリの役割について紹介した。
1.外部と内部の空気の流出入を行うためにガラリが必要
2.臭気等を除去するために空気の流出入が必要。
3.ガラリと同等の機能を有するベントキャップでも良い
4.ガラリとベントキャップのどちらとするかは外観の好みによる。
ガラリは建物に必要不可欠なものだ。
そのためガラリの役割を理解したうえで設計にフィードバックされたい。
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