【建築設備】ポンチ絵(イラスト)やグラフの重要性

こんにちは。

建築設備設計者として従事する限り、クライアントとの打ち合わせは避けては通れない。

クライアントとの打ち合わせでは要望や希望を聞き出し、設計方針や設計内容について合意を得る必要がある。
つまり各説明資料、確認資料について事前に念入りに作成する必要がある。

説明資料は何もクライアント側の打合せ担当者だけが確認するものではない。
クライアント側の打合せ担当者としても社内説明向けに説明資料を加工し使用する。
クライアント側の社内の上司に方針を説明し了承を得る必要があるからだ。

今回は説明資料の作成に欠かせないポンチ絵(イラスト)やグラフの重要性を紹介する。

専門用語であるポンチ絵を知らない方も多いだろう。
ポンチ絵とはいわゆるイラストだ。
下図にポンチ絵の一例を示す。

言葉だけよりもイラストを描いて説明した方がわかりやすいことが最大の特徴だ。

だがイラスト化する分どうしても時間がかかることがデメリットだ。
のちほど紹介するがこのデメリットは実はメリットでもある。
確かにイラストの作成に時間はかかる。
イラストを作成しないが故に後々設計の手戻りが発生する可能性がある。
設計はあらゆる条件や方針の積み重ねだ。
そのため設計が進むほど手戻りの量が多くなる。
イラストの作成が設計手戻りの保険だと考えればイラストの作成は十分にメリットとなり得るだろう。

設計方針や内容の共有

イラストは文書だけの資料よりも圧倒的に情報量が多い。
設計者とクライアント間でお互いに細かな情報まで共有できる。
この内容を文書だけで説明しようとしても理解が難しい。
ポンチ絵があることでより分かりやすい資料となる。

行き違いの防止

細かな部分までポンチ絵で表現することでお互いの認識に齟齬が生まれづらくなる。
そのため設計後期に設計方針の変更といったことも起こりづらくなる。

グラフ

左図にグラフ(例)を示す。
左図は東京の過去20年間の外気温度と相対湿度の相関を示したグラフだ。
(クリモグラフという)

普遍的な情報の共有

グラフは建物の地域特性や室内条件等について普遍的な情報を示すことができる。
例えば先ほど紹介したクリモグラフは作成する人によって変わることはない。
なぜなら東京の過去20年間の外気温度と相対湿度は変わることがないからだ。

理解が得られやすい

普遍的な情報を可視化することで設計者とクライアント側で間隔で理解していた事象の共有を図ることが可能だ。
よく日本の湿度は年々上昇していると一般に言われる。
これ自体は全く嘘ではない。
だが定性的な内容を定量的な目線から理解している方は意外と少ない。
そのため設計方針や内容について今後様々な合意を得るためにはこれらの与条件となるべき内容を明確にする必要がある。

ポンチ絵とグラフの違い

ポンチ絵とグラフは同じように情報を可視化しているだけに見える。
だが実際にはイラストとグラフは役割が全く異なることが特徴だ。

グラフ設計の与条件となる基本的な要件の確認
(設計与条件確定のための分析も含む)
ポンチ絵細かな内容についての補足

グラフは設計の与条件となる基本的な要件を決定するために使用されることが多い。
一方でポンチ絵は様々な説明内容に対して理解を助けるために使用される。

わかりづらい説明を続けると?

クライアントとの距離感が縮まらない

説明や提案は常にクライアントの理解度に合わせて行う必要がある。
難しい言葉ばかりを使用しかつ、説明の補助的な資料もないと結局のところクライアントは理解できない。
クライアントは必ずしも建築設備の専門家ではない。
あまりにも難しい説明ばかり繰り返すとクライアント側としても何がわからないのかがわからずろくに質問や相談もできないといったこととなる。
つまり応対の回数が必然的に減少しクライアントとの距離感が縮まらないことにつながる。

トラブルがあったときに揉めやすい

人はより分かりやすい説明をする方に対し親近感を持つようになる。
わかりやすい説明は理解を助けてくれる。
またクライアント側からは質問や相談ががしやすい環境が自然と形成される。
そのため何かトラブルがあったときにも既にクライアントが設計の見方になっていることもある。
設計の見方になっている場合は費用に掛かるトラブルすらも比較的容易に解消しやすい。

だがクライアントとの距離感が縮まっていない場合、トラブルの際に「設計が悪い」と一蹴りされてしまう。

業務でクライアントとかかわっている以上は設計の説明や方針説明等の資料でクライアントを味方につけることが最も合理的だ。

まとめ

今回は説明資料の作成に欠かせないポンチ絵(イラスト)やグラフの重要性を紹介した。
ポンチ絵やグラフを使用することでよりスムーズな設計業務を行うことができるだろう。

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