こんにちは。
普段何気なく計画しているダクト
そんなダクトだが様々な材料が利用され実際に建物へ導入される。
それらの材料の一部が欠けると空気漏れが発生したり、地震の際にダクトが落下したりする危険性がある。
今回はダクトに用いられる材料を紹介する。
参考:ダクトの役割について学びたい方は以下の記事からどうぞ。
ダクトといえば図示するようなイラストをイメージするだろう。
冒頭でも紹介したがダクトは様々な材料により成り立っている。
ダクトを構成する部材である溶融亜鉛鉄板。
ダクトの空気漏れを防ぐダクトクリップやダクトとダクトの接続に必要なフランジ。
またダクトを吊るために用いられるダクト用吊りボルト。
結露防止のために見込まれる保温など。
これ以上は細かすぎて今回紹介していないパーツもあるが大きく上記の通り大別される。
①ダクトの材料
ダクトの材質 | 使用用途 |
---|---|
溶融亜鉛メッキ鋼板 | 屋内全般 |
ガルバリウム鋼板 | 屋外ダクト、塩害地域における露出ダクト |
ステンレス鋼板 | 屋外ダクト、塩害地域における露出ダクト、厨房排気 |
塩ビ被覆鋼板 | 浴室等の多湿空気の排気ダクト、 実験排気(酸アルカリ等)空気用の排気ダクト |
ダクトの材料は大きく上記の4種類に分けることができる。
最も利用される溶融亜鉛メッキ鋼板、屋外で利用されることが多いガルバリウム鋼板やステンレス鋼板、その他に湿度や薬液に強い塩ビ被覆鋼板だ。
ケースバイケースだがダクトを計画する部分に最も適した材料を選ぶとよいだろう。
②ダクトフランジ
まずはアングルフランジ工法について紹介する。
アングルフランジ工法とはダクトのフランジ部分に一定の間隔(後述)でボルトやナットを使用固定する方法だ。
フランジとフランジの間にはパッキンですき間を埋める。
アングルフランジ工法におけるボルト、ナットの設置間隔を紹介する。
ダクト端部を除き100mmで設置することになる。
そのためダクトが大きいほど必要なボルト、ナットの数量が増える上にそれだけ手間がかかる。
次に共板フランジ工法について紹介する。
共板フランジ工法とはボルトやナットとは異なりわにぐちクリップ(ダクトクリップ)を用いて固定する方法だ。
各ダクトフランジを挟み込むようにして使用する。
引用:フカガワHP
ダクトクリップのイメージ画像を左図に紹介する。
わにぐちのような形になっていることが特徴だ。
ダクトクリップの設置間隔を紹介する。
各クリップは150mm以上の長さで据付される。
またダクト端部を除き200mm以下のピッチでダクトクリップが設置される。
(ダクト端部は150mm以下)
③吊りボルト
吊りボルト廻りの鋼製部材を紹介する。
吊りボルトとはダクトを支持するための材料だ。
2本の吊りボルトに山形鋼(L形鋼)を接続し、山形鋼に乗せるようにダクトを据え付ける。
また地震などによるダクトの揺れ防止のため12m以内に一か所振れ止めを設ける必要がある。
吊りボルトと上階床を接続するためにはインサートを用いる。
ボルト吊り金具
出典:因幡電工HP
インサートは通常コンクリート等に打ち込み使用する。
だが鉄骨等の折半屋根の場合は鉄骨から支持を取る必要がある。
その場合はインサートの代わりにボルト吊り金具を使用する。
ボルト吊り金具は鉄骨に対し挟み込むようにして使用する。
工法 | 吊りボルト設置間隔 |
---|---|
アングルフランジ工法 | 3,640mm以下 |
共板フランジ工法 | 2,000mm以下 |
スパイラルダクト | 4,000mm以下 |
※立てダクトは各階1か所支持設ける。
④保温
次にダクトの保温の要否および保温の厚さについて紹介する。
保温が必要なダクトの種類は以下の通りだ。
・空調用ダクト(SAのみ)
・排煙ダクト
・厨房排気ダクト
基本的に上記の通りだが設計事務所や施工会社によっては外気取入れダクトや外壁廻りの排気ダクト等にも保温を施す場合がある。
本材料は主にグラスウール(25mm厚)が一般に用いられる。
但し排煙ダクトの場合はロックウール(25mm厚)が用いられることが多い。
厨房排気ダクトの場合にはロックウール(50mm厚)が用いられることが多い。
まとめ
今回はダクトに用いられる材料を紹介した。
ダクトは様々な部材の構成により成り立っている。
正直設計図を作成する際はここまで細かな内容を知っている必要はない。
だがせっかく建築設備に携わっているためダクトの部材について知っておいても損はないだろう。
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