熱負荷の指標として使用されるBTUを紹介! 2023.03.182023.03.21 【↓建築設備と英語講座一覧↓】(プルダウン) 建築設備と英語表現 (42)【建築全般】 ①現場に関する英語表現 ②建物の規模、構造に関する英語表現 ③部屋の中でよく使用される英語表現 ④設計工程に関する英語表現 ⑤図面名称に関する英語表現 ⑥各設備に関する英語表現 ⑦工事区分に関する英語表現【要望・調整事項】 ⑧基礎と荷重に関する英語表現 ⑨ハト小屋に関する英語表現 ⑩ガラリに関する英語表現 ⑪ドアガラリに関する英語表現 ⑫ピットに関する英語表現 ⑬点検口に関する英語表現 ⑭機械室内に関する英語表現【空調設備】 ⑮熱源廻りに関する英語表現 ⑯空調機器に関する英語表現 ⑰室内設置機器に関する英語表現 ⑱室外機と室内機に関する英語表現 ⑲ダクトと配管の高さに関する英語表現 ⑳ダクトに関する英語表現 ㉑ダクトの材料に関する英語表現 ㉒配管の材料に関する英語表現 ㉓空調機廻りの配管に関する英語表現 ㉔熱負荷に関する英語表現 ㉕換気に関する英語表現 ㉖静圧計算に関する英語表現 ㉗熱源制御に関する英語表現 ㉘空調機制御に関する英語表現 ㉙受水槽制御に関する英語表現【衛生設備】 ㉚屋外給水に関する英語表現 ㉛屋外排水に関する英語表現 ㉜給水方式に関する英語表現 ㉝トイレ廻りに関する英語表現 ㉞大便器と小便器に関する英語表現 ㉟シャワー室廻りに関する英語表現 ㊱給湯に関する英語表現 ㊲浄化槽に関する英語表現 ㊳消火設備に関する英語表現【その他】 ㊴建築設備計算に関する英語表現 ㊵熱負荷計算の指標BTU ㊶HVACとACMVの違い ㊷階数表現の違い こんにちは。設計初期段階では熱負荷を概略値として求めることがある。熱負荷の概略値は主に熱源の仮選定や熱源機器の必要寸法などの算出に用いられる。日本ではm2負荷で求めることが一般的だろう。企業や個人の考え方によって異なるがだいたい150~200W/m2程度で見込むことが多いだろう。例えばイギリスではBTUといった指標が用いられる。大きな考え方こそ日本とはほとんど変わらないもの細かな概略値算出方法が若干異なることが特徴だ。今回は熱負荷の指標として使用されるBTUについて紹介する。 コンテンツ BTUとはBTUの計算式1.天井高さが通常のオフィス等よりも高い場合2.人員数による割増BTU計算例BTUの換算BTUとm2負荷の比較(参考)日本とイギリスの気候の違いまとめ BTUとは BTUとは主にイギリス圏で使用される用語だ。BTU =British Thermal Unit (英国熱量単位) の略だ。このBTUで熱負荷の概略値を求めることができる。使い方としては 500BTU、1,000BTUなどと数値の後ろにBTUを付記して使用されることが多い。 BTUの計算式 BTUの計算式は以下で表される。BTU = 室の幅[m] x 室の奥行[m] x 室の高さ[m] x 単位熱負荷単位熱負荷は日本と同様に企業や個人の考え方により様々だ。本稿では単位熱負荷を141として次項以降計算を行う。またここに記載のある計算以外に更に他の要素を加味してBTUを計算する場合がある。 1.天井高さが通常のオフィス等よりも高い場合 天井高さが高い場合は別途単位熱負荷に割り増し係数を乗じて計算を行う。但し置換空調を行う場合はこの限りではない。 2.人員数による割増 人員数によっても別途割り増しを行う。人が多いほど人からの顕熱および潜熱が発生するためだ。本稿では1人につき500BTUを加味して計算を行うこととする。 BTU計算例 例えば室の幅5[m]、室の奥行4[m]、室の高さ3[m]で単位熱負荷が141、人が4人の場合BTU = 5 x 4 x 3 x 141 + 500 x 4 = 10,460BTU となる。 BTUの換算 BTUのままだとわれわれ日本人からすれば一体どの程度の熱負荷なのか想像がつかない。そのためBTUをkWへ変換する。換算係数は以下の通りだ。1 BTU = 0.00029307107 kWつまり前項で紹介した10,460BTUは10,460BTU = 3.065kWとなる。 BTUとm2負荷の比較 前項まででBTUにより求めた熱負荷は3.065kWだ。室面積は5m x 4m = 20m2なので熱負荷原単位は 153.25W/m2 となった。概ね日本方式(m2負荷)で求める方法と近似していることが確認できるだろう。 (参考)日本とイギリスの気候の違い 参考までに日本とイギリスの気候の違いを紹介する。グラフ内横軸に各月(2022年1~12月)、縦軸に月平均気温[℃]を示す。図中赤線が東京、青線がイギリスの月別平均気温を示す。冬期は日本とイギリスのどちらも月平均気温は大きくは変わらない。一方で夏期はイギリスよりも東京の方が10℃程度月平均気温が高いことがわかる。つまり気温だけの観点からはイギリスよりも東京の方が夏期の冷房熱負荷がより高い傾向にある可能性があることがわかる。(冷房負荷を語る上で日射負荷についての言及は必須だが本稿では触れない) まとめ 今回は熱負荷の指標として使用されるBTUについて紹介した。国により様々な熱負荷計算の手法があることを認識いただければと思う。
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