発熱量と温度上昇量

こんにちは。
空調設計を始めたばかりの方において意外と気になる発熱量。
発熱量はWであったりkJ/hで表されることが多い。
ただ実際にそれらの単位で表記されてもどの程度熱いものかわかりづらいことも実情。
例えば100Wの発熱とはどのようなものか。
既に学んだことがあるかもしれないが人一人当たりの発熱量は約100Wだ。
なので1kWの発熱といえば人が10人その空間の中にいることをイメージすればよい。

但し人が100人や1,000人と徐々に人員数が増えると途端にイメージがわかなくなる。

今回は発熱量と温度上昇にかかる時間について紹介する。
※なお以下に掲げる計算値は全て試算なので参考としてほしい。

境界条件

イメージをよりし易いように境界条件として使用するモデルは約6畳の洋室程度とする。
また天井高さは2.4mHとする。
そのよう室内の機器発熱量を1.00kWとする。

機器発熱量は常時発生するものとする。
また機器発熱量以外の外界条件による熱収支は一切ないものとする。

計算上必要送風量

単位時間あたりの温度上昇量を求めるために機器発熱量に対する必要送風量を算出する。

機器発熱量が1.00kWであり単位換算すると3,600kJ/hとなる。
また送風温度差を仮に⊿t=10℃とすると必要送風量は300m3/hとなる。

循環換気回数

前項より求められた風量と今回の与条件となる室容積で除することで循環換気回数を算出する。

必要送風量は300m3/hで室容積は約23m3のため循環換気回数は12.86回/hとなる。

10℃温度上昇に要する時間

循環換気回数は前項より12.86回/h。
一方で換気回数1回で10℃温度上昇する。
従って 1h ÷ 12.86回/h =0.778h = 4.67min で換気回数1回となる。
即ち4.67minで10℃温度が上昇するということになる。

1分あたりの温度上昇量

次に1分当たりの温度上昇量を算出する。
前項より11回換気(10℃の温度上昇)にかかる時間は4.67minであることから
10℃ ÷ 4.67min =2.14℃/min となる。

つまり1分間に2.14℃温度が上昇する結果となった。

まとめ

今回は機器発熱量に対する温度上昇量について紹介した。
実際には温度上昇に伴い隣室や外壁面との熱収支が発生するため上記の内容通りとはなりえ難いが考え方として頭の片隅に置いておくことでいつか役に立つかと思われる。

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