空調負荷率とは -概念や計算方法を紹介- 2024.07.20 こんにちは。建物の一次エネルギー算出の際や、空調エネルギーを算出する際によく「空調負荷率」といった言葉を耳にすることがある。普段設計や施工では、空調負荷率を使用することがないため、どういった意味7日がわからない方も少なくない。しかし、近年では建物の省エネ化も求められるようになり、今後、頻出するであろう用語の一つでもある。今回は空調負荷率の概念や計算方法を紹介する。 コンテンツ 空調負荷空調負荷率空調負荷率の傾向空調負荷率計算例計算例①計算例②まとめ 空調負荷 普段空調設備計画を行う際、各室の熱負荷に基づいて、空調機器の選定を行う。熱負荷とは、冷暖房に必要な負荷を示し、空調負荷とも呼ばれる。熱負荷は、建物の駆体による負荷や、日射負荷、照明負荷、人体負荷、外気負荷などから構成される。 空調負荷率 通常、熱負荷計算では、年間を通じて最大の負荷となる時刻(日)の熱負荷を計算する。また、最大となる熱負荷を処理可能な空調機器を選定する。 しかし、実際に一年間空調を行うと、ほとんどの時間は空調機器が100%で動くことはない。地域や空調の運転条件にもよるが、年間で平均すると空調機器は30%~40%程度で動いている。この何%で動いているかが空調負荷率と呼ばれる。 空調負荷率の計算方法は以下の式で示される。空調負荷率はよく、冷房時空調負荷率や暖房時空調負荷率、年間空調負荷率などと呼ばれることが多い。 計算式空調負荷率[%] = 空調負荷[kW] ÷ 空調機器定格能力[kW] 空調負荷率の傾向 冷暖房負荷月別変動比[%] 冷房負荷 暖房負荷 5月 23% 11月 17% 6月 53% 12月 41% 7月 83% 1月 97% 8月 100% 2月 100% 9月 50% 3月 41% 10月 17% 4月 7% ※出典:建築設備手帳 建築設備手帳では、標準的な空調に対して、月別の空調負荷率が紹介されている。(左表参照)ピークとなる夏期や冬期を除けば、ほとんどの期間は低負荷での空調の運転が行われている。 空調負荷率計算例 以下に空調負荷率の計算例を紹介する。 計算例① 最大熱負荷2kW年間熱負荷500kWh運転時間500h平均負荷500kWh÷500h=1kW平均負荷率1kW÷2kW=50% 計算例② 最大熱負荷6kW年間熱負荷1000kWh運転時間500h平均負荷1,000kWh÷500h=2kW平均負荷率2kW÷6kW=33% まとめ 今回は空調負荷率の概念や計算方法を紹介した。空調負荷率は考え方さえわかれば、そこまで難しくない内容である。そのため、この機会にぜひどういった意味や使い方をするのかマスターしていただければと思う。
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