こんにちは。
建物に本工事で加湿器の計画をする際に忘れがちなこと。
それは、加湿給水管に水抜きを計画することを忘れることだ。
加湿給水管は性質上冬期にしか使用されない。
そのため、冬期以外の中間期や夏期は加湿給水管内の水が死水となる恐れがある。
死水防止のために、設計時から加湿給水管の水抜きを計画することが基本となる。
しかし、設計時にはあまり気にしていないことも多い印象だ。
今回は加湿給水管の水抜きの必要性ならびに計画方法を紹介する。
一般的に居室は冬期加湿が求められる。そのため、通常、ポータブル加湿器(備品(建物利用者が準備))もしくは、建物側で加湿器を導入する必要がある。
加湿器を設置していないと、建物内の空気が乾燥し、様々な感染症のリスクが発生する。
以下の記事で室内温湿度とインフルエンザの流行について、紹介している。
興味がある方はご確認いただきたい。
建物側で加湿器を導入する場合はウエットマスターから販売されているてんまいや室内機に加湿器を組み込む場合、また、空調機を計画する場合に加湿給水管が必要となることが多い。
クロスコネクション防止のため、加湿給水管は、給水管とは分けて計画することが基本となる。
つまり、加湿給水用に併せて受水槽を設置している場合が多い。
(受水槽で給水管と縁切りを行う)
このような計画を行うと、結果として加湿給水管は加湿用の給水を行うための専用の配管となる。
この加湿給水管を通じて、加湿器へ給水を行う。
加湿給水管の水抜きの必要性
加湿は基本的に冬期以外の時期は行われない。
つまり、冬期以外の時期は加湿給水管内の水も不要となる。
水を長時間滞留させておくと、水分に含まれる塩素が気化してしまう。
塩素は水の水質を維持するために必要不可欠だ。
そのため、塩素が気化した後の時間が長いほど、水質が悪くなる。
飲料水として使用する受水槽を計画する場合は、「1日2回転」となるように受水槽の大きさを決定する。
つまり、基本的に半日以内に水を使い切らないと、水質悪化につながる。
加湿給水も例外ではない。
加湿を行わない時期は配管内の水を抜くことで水質の悪化を避ける必要がある。
加湿給水管の水抜きの計画方法
水抜きを完全に行うためには、配管が最も低い位置に計画される部分に対してバルブを用意する必要がある。
配管の最も低い位置が複数計画される場合は、それぞれにバルブを設置する。
原則鳥居配管は計画してはならないが、鳥居配管が計画される場合は、鳥居配管の底部にもバルブが必要だ。
まとめ
今回は加湿給水管の水抜きの必要性ならびに計画方法を紹介した。
水抜きの計画を忘れると、加湿を使用しない期間の水抜きができず、水質悪化につながる。
そのようなトラブルを避けるため、ぜひ適切に水抜きが可能な計画を行うことが重要だ。
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