エアコン(室内機)の系統分け(制御単位について)

今回は室内機の系統分け(制御単位)について説明する。

基本的な室内機の制御単位を分けるときはその室の使われ方や方位毎に制御単位を設定することをお勧めする。

ペリメーターとインテリアに分ける

まず第一に考えられるケースはペリメーターとインテリアで系統を分けること。
ペリメーターとは外皮に面する空間(通常外壁面から5mと呼ばれる)を指し、インテリアとは外皮に面さない空間を言う。

というのもペリメーター側の負荷形態の大きな特徴として外壁からの負荷や窓からの負荷が存在することがあげられる。

インテリアの負荷は人員負荷(100W/人)や機器負荷(10~15W/m2程度)など時間帯に応じて大きく変わらない要素であることに対し、外皮の負荷は外壁負荷(1~5W/m2・K程度)や日射負荷(100W~200W/m2程度)と時間帯や季節によりかなり左右される要素である。
そのため例えばペリメーター側では暖房需要があるがインテリア側は基本的に暖房が必要な要素がないため冷房需要が発生することがあり得る。
そのためペリメーターとインテリアで系統分けをしておくとそれぞれのニーズに合った運用が可能となる。

方位毎に分ける

次に考慮すべきは方位別に系統分けを行う方法。

こちらのグラフを見たことがある方も多いだろう。
方位毎に日射量が異なるため温熱官も当然異なる。
そのため方位毎に系統分けの配慮を行うことも大切である。

使われ方による系統分け

例えば事務スペースと打合せスペースが完全に分かれている場合。
もし打合せスペースがほとんど使われないスペースだとすれば系統分けをしておけば打合せスペース分の室内機ランニングコストの低減につながる。

実際の事務室ではほかにも事務室と倉庫の組み合わせや書庫との組み合わせ、その他受付スペースとの組み合わせ等多岐にわたると考えられる。
特に打合せスペースや待合スペースを兼ねる場合は使用時間も限定される可能性があるため十分にヒアリングを行うべきである。
また人員密度が明らかに異なることもあるためそのあたりもヒアリングにより決定されたい。

室の使われ方は実際に使う人の声を聴いてみないことには想像しがたいため、必ず使用者の声をヒアリングしたうえでお互いに合意を得て設計を行うことをお勧めする。

まとめ

室内機の制御単位は基本的には以下の単位で分けることをお勧めする。

①ペリメーターとインテリア
②方位
③室の使われ方

上記を基本とし使用者のヒアリングを行ったうえで計画を確定することをお勧めする。

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