【どっちがお得?】ダクトにFDを設けるかダクトを迂回するか 2021.12.162023.04.08 【↓ダクト講座一覧↓】(プルダウン) ダクト設備 (34)【ダクトの基礎】 ①ダクトの役割と仕組み ②ダクトの材料 ③ダクトの吊りと接続方法 ④保温の必要性 ⑤空調ダクトと換気ダクトの違い ⑥様々なダンパー ⑦VDの役割と設置例 ⑧CDの役割と設置例 ⑨MDの役割と設置例 ⑩FDの役割と設置例 ⑪HFDの役割と設置例 ⑫SFDを設けるケース ⑬HFDの設置位置と耐火ダクト ⑭FDを設けるかダクト迂回か ⑮CAVとVAVの役割と設置例 ⑯ガラリの役割 ⑰ベントキャップの役割 ⑱制気口の種類と使い分け ⑲制気口BOXの役割 ⑳制気口の結露防止 ㉑保温内貼り、外貼りの使い分け ㉒ブリーズライン上部のBOX ㉓アスペクト比【ダクトの計画・大きさ】 ①ダクトの大きさの決め方 ②矩形ダクトとスパイラルダクト ③ガラリの大きさの決め方 ④制気口の位置の決め方 ⑤制気口の大きさ計算方法 ⑥制気口の大きさ計算ツール ⑦制気口ボックスの大きさ計算方法【ダクトの描き方】 ①ダクト図の描き方 ②制気口リストの作り方 ③ガラリチャンバーリスト ④ダクトの描き方_枝ダクト はいこんにちは。普段設計や施工をしていて素朴な疑問を持つことがあるかと思う。そんな素朴な疑問は普段日ごろこっちの方がいいんじゃないかなど感覚値により何となく決定されることが多いことが実情だ。ダクトの長さとFD等のダンパーの関係性についても同じといえる。最短ルートでダクトを計画しVDやFDを多数設けた方がコストが安いのか、それとも少し迂回してでもダンパーを設ける数量を少なくした方がコストが安いのか。イメージとしては材料の種類を減らす方がお得な気もするが実際誰も検証をしたことがないだろう。 そこで今回はダクトとFDのコスト比較を行ってみることとする。 コンテンツ 境界条件ケース別複合単価_FD数量とダクト長さの関係まとめ 境界条件 今回複合単価を算出するにあたって金額を計算するための参考資料は機械設備工事の積算実務マニュアルを使用することとし場所は東京とする。本参考資料から使用する情報は以下の通り。・矩形ダクトの複合単価・スパイラルダクトの複合単価・保温(GW25t)の複合単価・FDの複合単価 ケース別複合単価_FD数量とダクト長さの関係 まず最初に計算した条件は以下の通り・ダクト種別:SA・保温有・ダクト径:100φ 横軸にダクトの長さ,グラフ内の線の色はそれぞれFDの数量を示す。また縦軸には複合単価を示す。複合単価15万円の部分で比較するとFD1個あたりダクト長さが約7m異なることがわかる。 次に計算した条件は以下の通り・ダクト種別:RA・保温無・ダクト径:100φ 先ほど同様に複合単価15万円の部分で比較するとFD1個あたりダクト長さが約10m異なることがわかる。つまり保温有よりもFD1個が与える影響は大きい。 続いて以下の条件で計算する。・ダクト種別:SA・保温有・ダクト径:300×300 複合単価15万円の部分で比較するとFD1個あたりダクト長さがわずか2m程度しか異ならない結果となった。 さらに大きなダクトで机上検討する。・ダクト種別:SA・保温有・ダクト径:300×300 もはや線が重なりすぎていてよくわからないが一応FD1個あたりダクト長さが約1m異なる結果となった。つまりダクト径が大きくなるとFD1個がコストに与える影響は極めて少ないことがわかる。 まとめ 今回はダクトの長さとFDの数量が与えるコスト検討について紹介した。結果ダクト径が小さいほどFD1個が与えるコストへの影響は大きくダクト径が大きいほどFD1個が与えるコストへの影響が小さいことを確認した。また保温無しのほうがよりFD1個が与えるコストへの影響が大きいことを確認した。つまりダクトが小さくダクト長さが極端に変わらない限りは防火区画貫通を避けてダクトを迂回した方がコストが安価となることが示唆される。(迂回するとそれだけダクトと他の設備が交差するため納まりの問題もあるが)いずれにせよ防火区画貫通をする以前にそのダクトが防火区画貫通後の部分に存在するべきかどうかといった観点も含め総合的にダクトの計画を行う必要がある。
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