設備設計者が最低限知っておきたい消防法上の危険物(一般取扱所,少量危険物)に関する法規制 2021.04.112024.01.07 建築設備設計者であれば知っておきたい危険物に対する法規制。意匠担当者が全然気にしていなかったりする危険物関係。知らないだけで後々自分ら設備設計者も被害を受けるので是非とも頭の片隅に入れておきたい最低限必要な知識を紹介する。 コンテンツ 危険物とは危険物ってどんなところにある?危険物に対する法規制および少量危険物危険物の基本的な建築的ルールまとめ 危険物とは 危険物とは主に①火災を発生させやすいもの②火災を促進させやすいもの③消火が困難なものである。 例えばガソリンスタンド。よくGTA(ゲーム)でガソリンスタンドを爆発させて楽しむ方もいるかと思う。そのくらいガソリンは危険であることから当然危険物に該当する。また建築的側面からの危険物とは消防法により危険物についての法的制約が発生する。 危険物ってどんなところにある? 設備設計者の立ち位置からしたら以下の場合には危険物を想定することをお勧めする。 ①研究施設や実験施設を抱えている建物②特殊な学校など薬品を抱える建物あとはその他の施設では室名称に薬品庫もしくは危険物と記載のある場合。特に危険物と記載のある場合は読んで文字の如く危険物が保存されているので注意が必要。 危険物に対する法規制および少量危険物 いったい何が違うのかというと端的に危険物の保管量の違い。薬品により保管してよい量が異なりそれを一元化したものを指定数量という。だんだんとごちゃごちゃしてくるかと思うが指定数量は基準値が1(無次元) 例えばA重油であれば2,000Lで指定数量が1となる。また経由であれば1,000Lで基準値1である。この指定数量を1を超えるかどうかで少量危険物かが決まる。0.2<=少量危険物<1.01.0<=一般取扱所となる。なお指定数量0.2以下は特に法的規制を受けない。消防法では指定数量が1以上の場合のみ後述する規定があり少量危険物については各自治体によるとされている。(とはいえ大は小を兼ねるので以下の内容を知っておけば大枠は理解できるはずだ) 危険物の基本的な建築的ルール まず1にも2にも屋根が吹っ飛ぶ構造である必要がある。そんなことは設備設計者にはどうでもいいが。。。 設備的な観点からは防爆仕様とダクトの立ち下げだろうか。とにかくこの二つを遵守できればレイアウトが変わらない限りはとんでもないことになることはない。まず一点目の防爆仕様について。ファンについては防爆仕様にする必要がある。ファンの防爆仕様とはファン駆動部が防爆雰囲気に直接設置されていないこと。要するにストレートシロッコファンはNGとなり片吸込みのシロッコファンの設置がマスト。次は室内機の問題について。基本的には空調設備の設置は不可能だ。メーカーに特殊仕様にしてもらう必要があるので注意が必要。次にはダクトの立ち下げ。ダクトの立ち下げがなぜ必要かというと建築的に溜桝を設ける必要があるから。消防法上で万が一危険物が溢れた場合に滞留できる構造とすることと記載がありそこに向かって床勾配を設ける。結果的に溜まる部分である溜桝が必要となる。さらに消防法上でこぼれた危険物の雰囲気を有効に換気する必要があるため結果的に溜桝へダクトを向かいに行かなければならないといったわけだ。ちなみに換気量については通常5回換気程度で設定することが多いかと思うがそれで特に問題ない。(倉庫みたいなものなので)(ただし別途消防指導がある可能性があるため注意) まとめ 今回は危険物について機械設備的に最低限必要な知識を説明した。 とくに防爆仕様にする必要がある点とダクトの立ち下げについてはセットで必要なものだと覚えておいた方が良い。
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