こんにちは。
衛生器具の選定にあたり意外と気になること。
それは手洗器と洗面器の違いがよくわからないことだ。
実際に多くの方は手洗器は小さく、洗面器は手洗器よりも少し大きい程度に捉えている方も多いだろう。
今回は手洗器と洗面器の違いについて紹介する。
手洗器と洗面器の違いは実は日本産業規格(JIS = Japanese Industrial Standards)で明確に規定されている。
日本産業規格とは日本の産業に関する企画や測定などを定めた規格のことだ。
JIS規格によれば洗面器と手洗器は以下の規格で定義される。
洗面器は大きさや用途に応じて「L410」「L420」「L511」と区分される。
また手洗器は「L710」と定義される。
種類 | 種類の名称 | 記号 | |
---|---|---|---|
用途 | サイズ | ||
洗面器 | 一般 | 大 | L410 |
小 | L420 | ||
身体障がい者用 | 小 | L511 | |
手洗器 | – | – | L710 |
洗面器と手洗器の大きさ
洗面器と手洗器は主に大きさの違いにより定義される。
以下に寸法を紹介する。
種類 | 規格 | サイズ | 寸法(幅) | 寸法(奥行) |
---|---|---|---|---|
洗面器 | L410 | 大 | 545mm以上 | 460または510mm |
L420 | 小 | 450~544mm | 400,430または460mm | |
L511 | – | 600mm | 550mm | |
手洗器 | L710 | – | 450mm未満 | 320mm |
洗面器と手洗器の附属品
公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)によれば洗面器と手洗器の標準付属品は以下となる。
種類 | 規格 | サイズ | 附属品 |
---|---|---|---|
洗面器 | L410 | 大 | 自動水栓(止水栓附属) P形洗面器トラップ バックハンガー又はブラケット |
L420 | 小 | ||
L511 | – | 自動水栓または自動混合水栓(止水栓附属) P形洗面器トラップ バックハンガー又はブラケット | |
手洗器 | L710 | – | 自動水栓(止水栓附属) P形洗面器トラップ |
洗面器と手洗器の参考写真
文言だけだとわかりづらいかと思うので洗面器と手洗器について参考写真を用いて紹介する。
【L410】
出典:TOTO_HP_COMET
【L420】
出典:TOTO_HP_COMET
厨房に設置する洗面器の設置基準
例えば東京都の保健所では厨房内に設置する洗面器(手洗器)のサイズに規定がある。
東京の場合は幅36cm x 奥行28cm 以上とされている。
理由としては肘まで洗うことができる器具であることを求められるためだ。
JIS規格によれば手洗器の場合は注意が必要だ。
また手指の消毒装置(水石鹸など)が必要だ。
まとめ
今回は手洗器と洗面器の違いについて紹介した。
本稿を通じてそれぞれの違いを理解した上でどちらを採用するか判断いただければと思う。
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