こんにちは。
ダクトの計画を行う際によく、「アスペクト比」といった用語が使用されることがある。
特に天井裏等の納まりが厳しいときに「アスペクト比」が使用される頻度が増える。
「アスペクト比」とは簡単に言えばダクトの幅と高さの比のことであるが、そもそもどういった意図でアスペクト比が用いられているのかもわからない方が多いだろう。
今回はダクトのアスペクト比について紹介する。
アスペクト比とは縦横比のことをいう。
そのため、実務では「ダクトの縦横比」などとよばれることも多い。
たとえば、モニターやパワーポイントの縦横比をイメージしていただくとわかりやすいだろう。
これらではよく、4:3や16:9といった比が用いられる。
アスペクト比とは英語で「Aspect Ratio」という。
ダクトにおけるアスペクト比
ダクトにおけるアスペクト比も前項同様に縦横比に対して1:1や2:1といった比が用いられる。
標準仕様書におけるアスペクト比
官庁施設で用いられることが多い標準仕様書にアスペクト比に関する規定が記載されている。
具体的には矩形ダクトのアスペクト比は原則として4以下とする旨の記載がある。
理由としては、アスペクト比が大きくなるほど、ダクト自体が簡単に潰れてしまう恐れがあるためである。
アスペクト比 |
---|
最大4:1以下 |
アスペクト比の計算方法
アスペクト比の計算方法は以下のとおりである。
アスペクト比の計算方法 |
---|
(a/b):1 |
b=ダクトの高さと幅の小さい方[mm]
アスペクト比の計算例は以下のとおりである。
ダクト径 | アスペクト比の計算式 | アスペクト比 |
---|---|---|
300:300 | (300/300):1 | 1:1 |
200:400 | (400/200):1 | 2:1 |
300:1,200 | (1,200/300):1 | 4:1 |
アスペクト比と必要静圧
物理的にはダクトの面積が同じであれば、同じだけの風量を得ることができるとは思われるだろう。
しかし、実際にはダクトの形状により空気がダクトの表面に接する面積が異なる。
そのため、アスペクト比によって必要な静圧が異なることが考えられる。
実際に2,750m3/hでダクト径が400×400と800×200の場合では、400×400の方が圧損が小さい傾向にある。
つまり、アスペクト比が小さいほど、圧損が小さく効率が高くなる。
まとめ
今回はダクトのアスペクト比について紹介した。
アスペクト比については4:1を超えないように計画を行うことが重要である。
ダクト径が800×200のときに4:1のように、短い方のダクトの寸法(200mm)の4倍(800mm)までといった覚え方をすれば、計算自体は難しくないだろう。
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