こんにちは。
設備設計を行っていると、基本計画や、基本設計時におおよその室面積や、長さを図りたいときが多いと思う。
意匠や構造担当者の場合は、ある程度正確な寸法を抑える必要がある。
そのため、cadを用いて計測することがほとんどだ。
一方で、設備設計としての基本計画や基本設計では、長さや面積についてはある程度の概略値ベースで検討することも多い。
理由としては、建築図が確定していない段階でこれらの計測を行っても、知らないうちに変更となっていることが多いためだ。
つまり、cadを使用するほどではないものの、おおよその長さや面積を図りたいときには、pdfから直接計測することで、事足りるはずだ。
今回は、PDF acrobat(アクロバット)を用いて長さや面積を測る方法を紹介する。
PDF acrobatの画面を開こう
まず、PDF acrobatを開こう。
開くファイルは何でも構わないが、図面を用意するとイメージしやすいだろう。
(なお、今回以下で紹介している平面図は、ノンスケールである)
全てのツールをクリック
次にすべてのツールをクリックしよう。
なお、PDF acrobatのバージョンによっては、すべてのツールが表示されている位置が異なることがある。
(以前のバージョンでは、右側のバーに全てのツールが表示されていた。)
さらに表示をクリック
全てのツールを開くと、下図のとおり、表示される。
(この表示画面についても、バージョンにより異なる)
全てのツール内の「オブジェクトを測定」を見つけることが目的であるため、すべてのツールから見つけられない場合は「さらに表示」をクリックしよう。
オブジェクトを測定をクリック
「オブジェクトを測定」をクリックしよう。
見つけられなければ、定規(ものさし)のアイコンを探そう。
ものさものさしツールをクリック
次にものさしツールをクリックしよう。
測定タイプを選択
次に測定タイプを選択しよう。
測定タイプは主に「長さ」「周長」「面積」の3種類が用意されている。
目的に合わせて使い分けよう。
また、図面の場合はほとんどの場合、線のデータがpdf内に埋め込まれている。
線のデータがpdf内に残っている場合は、測定タイプの左側にある、スナップの種類で測定時にスナップすることが可能であるため、必要に応じ使用しよう。
(重要)縮尺を設定しよう
特に縮尺の設定をしないまま測定すると、pdfサイズのままの状態で長さや面積を測定することになる。
S=1/100であれば、計測した数値から100倍した数値とする必要がある。
つまり、人の手で計算する部分が発生するため、計算ミスが発生する可能性がある。
そういった、計算ミスを事前に防ぐため、pdf上で縮尺を設定することをおすすめする。
画面上の任意の場所で右クリックをして、下図のメニューを出現させる。
次に、一番上にある「測定比率と精度を変更」をクリックしよう。
(重要)縮尺の設定方法
縮尺の設定画面について紹介する。
(普段からAutoCADを使用している方はイメージしやすいとは思う。)
下の画面では縮尺比率の項目について 1mm = 100mm と設定されている。
これは、用紙上の1mmを100mmと読み替えて計測をすることを意味する。
つまり、S=1:100として計測を行うこととなる。
次に精度だが、これは小数点第何位まで表示させるかを決定することができる。
面積をm2で表示させる場合であれば小数点第二位(0.01を選択)、長さをmmで表示させる場合は、小数点は表示しない。(1を選択)など使い分けることがおすすめだろう。
なお、計測比率の右側の単位についてだが、後述する計測の際に表示される単位となる。
そのため、100mmの部分を必要に応じ、0.1mにするなど使い分けることで、計測しやすくなるだろう。
長さを計測してみよう
縮尺の準備ができたら、まずは、長さを計測してみよう。
図面内で寸法が記載されている部分の長さが正しいかを確認することで、設定した縮尺が正しいかわかるはずだ。
なお、あくまでもPDF上での計測であるため、下図の通り、若干誤差が発生することは許容する必要がある。
(精度を求めるのであれば、CADを利用しよう。)
面積を計測しよう
縮尺が正しいことを確認出来たら、次に面積を計測しよう。
下図の例では、21.92m2と計算されている。
ここで前述した「計測比率」の単位を[mm]としている場合は、mm2で表示されることとなる。
まとめ
今回は、PDF acrobat(アクロバット)を用いて長さや面積を測る方法を紹介した。
全国的にペーパーレス化が進んではいるが、建設業界ではまだまだ紙を印刷し消費していることが実態である。
そのため、少しでもソフトウェアの便利ツールを駆使できれば、ペーパーレス化を図ることができる。
また、印刷という行為自体を減らすことができるため、作業の工数を減らすことにもつながる。
そのため、本稿で紹介した内容を覚えておいても損はないはずだ。
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