【徹底比較】室内機カセット形とダクト吹形のコスト比較

はいこんにちは。
どんな建物用途や熱源方式の際に関わらず室内機の形式としてはカセット形やダクト吹形を採用するケースが多いかと思う。
主にダクト吹形は意匠性に配慮した空間づくりをしたい場所であったり会議室などの上級室に用いられることが多い。
もしくは普段何気なく設計者が「○○室の空調はダクト吹形としたい」などとの意思から設計図へダクト吹きで計画されることも多い。
カセット形からダクト吹形へ変更すること自体は納まりさえ問題なければ容易に変更することは可能だ。
一方でダクト吹きで計画することで実際にダクト分コストがそっくり増える。

今回はカセット形からダクト吹形へ変更した場合においてどの程度コストが増えるかを紹介する。

境界条件

今回比較対象とする条件はこちらに記載の通り。

図内左側にカセット形の場合、右側にダクト吹きの場合を記す。
両条件とも室面積を6m x 6m = 36m2とした。
装置負荷を200W/m2と想定すると 200W/m2 x 36m2 = 7.2kW(冷房想定)となる。
今回は某メーカーより7.2kWの冷房能力を満足する機器にてそれぞれ選定した。
(といってもカセット形の方は今回の検証からは除外しているのだが)
ダクト吹形の方は風量が1,500CMH(急ノッチ)のためブリーズライン(2形)をそれぞれ図の通り設置とした。
カセット形とダクト吹形の機器自体の金額差も実はあるが、今回はダクト吹形のダクトの増工分のみ検証の対象とする。

図が小さく読み取りづらいかもしれないが今回はT-fasを用いて作図および拾い作業を行う。
ダクトの径や距離は図示の通りとした。

主な追加材料

主な追加となる材料は以下の通り。
(室内機側から)
・たわみ継手
・チャンバーボックス(室内機用)
・スパイラルダクト
・チャンバーボックス
・矩形ダクト
・ブリーズライン
※なおダンパー類は設置しないものとした。

試算

結果は添付図の通りとなった。
ここで採用している金額は筆者独自が想定した単価であるためあくまでも参考額だ。
制気口の労務費なども見込んでいるわけではないので実際にはもう少し金額は大きくなるものと思われる。
とはいえ全体から見ればごくわずか。
結果としてダクト吹形に変更することで1台当たり約70万程度費用が増大する結果となった。

まとめ

今回はカセット形の室内機とダクト吹形の室内機でどれだけコスト差があるのかを検証した。
今回は機器本体代は加味した検討とはしていないがダクトやダクト附属品等で1台当たり約70万円程度増加することを確認した。
設計者は施主側のコンサルといった側面もある。
そのため「ある変更をしたらこの程度予算が変わりますね」くらいの感覚を持つことは非常に大切なので頭の片隅にでも置いて頂ければと思う。

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