はいこんにちは。
普段生活しているうえではまず聞きなれないビルピット。
というのもそもそも普段見ることがないだろう。
そんなピットの中にさらに釜場と呼ばれるものがある。
今回はそんな聞きなれない釜場の意味や釜場のサイズの算定方法について紹介する。
釜場とはビルピットにあるくぼみのことだ。
このくぼみの設置理由だがピット内に水が発生した際にそのくぼみに水を集めるためだ。
集めた水はそのままにしていてもしょうがないのでポンプを用いて強制的に排出することとなる。
次にピット内にどのような種類の水が発生するかを紹介する。
①地下水位が高い時
地下水位が高い時はピットの床面や壁面から染み出すように水が随時発生する。
②津波や浸水時
津波や浸水時はピットに限らず必然的にピット内が浸水する。
③その他
あまり考えられないケースだがピット内を散水した時などは人工的に水が発生する。
従って基本的には①②のケースに当てはまらない限りは釜場は不要だろう。
また今回は①に絞ったケースについて以降紹介する。
釜場の中に設置する水中ポンプ
通常釜場に設置するポンプは水中ポンプを採用する。
浸水対策のためまた水中ポンプは2台1組とし1台が故障した際にももう1台で排水が可能なよう配慮する。
さらには建物に発電機がある場合のおいては水中ポンプを発電機回路とし不測の事態でも問題なく排水が可能な性能とする場合もある。
そんな水中ポンプだが能力についてはせいぜい100L/min程度あれば十分だろう。
それ以上あってもほとんど動くことが想定しづらい上に能力が高いほどポンプの瞬間的な発停が起こるようになる。。
また揚程については揚程計算を行い問題なく排水されることを確認する必要がある。。
釜場の大きさ
空気調和衛生工学会によれば平面的な釜場の大きさは以下の通りだ。
1.釜場の大きさ( 平面)
①ポンプの両端から200mm 以上それぞれ離隔を確保。
②水中ポンプは基本的に2 台で1 組のためそれぞれのポンプの間に
クリアランスを確保。
③ 2 台の水中ポンプ間はポンプ外形の3 倍( 芯々) 離隔を確保。
次に釜場の断面形状について紹介する。
2.釜場の大きさ( 断面)
①フロートの設置高さを考慮し釜場の高さを決定。
②フロートの設置方法は主に二種類あるが、水中ポンプ専用の制御盤で自動交互運転とする場合はフロートが4 個で制御可能な場合もある。
③ポンプ能力が大きくなるほどフロートの設置高さが高くなるので注意が必要。
上記の1と2を考慮すると以下となる。
3.釜場の大きさ( 結果)
通常のポンプを選定する場合は以下で十分
①湧水ポンプ_700x1,200xH750
※揚程が10m を超える場合は別途計算のこと
まあ設計者により釜場の大きさの考え方は異なるが、参考にはなるかと思う。
特に断面的な納まりについてはフロートの設置の考え方にもより高さが変わる部分だ。
まとめ
今回は釜場の大きさや水中ポンプの能力について紹介した。
特に釜場はなかなか聞きなれない単語なので今回を機にぜひとも頭の片隅にとどめていただければと思う。
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