宿舎の床勾配を測定してみた

こんにちは。
2022/3月現在パプアニューギニアに在住している。
普段日本にいて全く気になることのなかったあれ。
そうあれだ。(何だあれって?)
家の床がフラットではないことだ。

普段日本にいると技術のある職人さんなどの手により床勾配なんか普段感じることはない。
(老朽化が進んでいる建物などは軋みなどにより床が傾いているケースもあるが)

筆者も全く床勾配を気にもしなかったがパプアに来てからというものの普段家に住んでいるだけで結構床が傾いているななどと思うことがある。

そこで今回は我が家の床勾配について実測してみたので以下に紹介する。

計測条件

今回の計測対象はこちらのお部屋
主にフローリングとなっている部分を対象とした。
写真内エアコンの吹出し中央付近をX1-Y5とした。
なおテレビ側の方に行くにつれX2,X3とX側の通り番号を増やしていくこととした。
また写真内窓左側に行くにつ入れY4,Y3と減じていくこととした。(一番大きなソファ裏側辺りがY1通り)

こちらが先ほどの写真のテレビ右側から見た写真だ。
分かりづらいが各通り芯にそれぞれコインをセットしている。
一番奥のティッシュ箱が見える位置がX1-Y5だ。
写真手前側に近づくにつれX2,X3通りと通り芯の番号が増えていく。

今回の部屋の傾きに使用した機器はこちら。
BOSCHのレーザー距離計。
レーザー距離計とは言いつつも角度も測定してくれる優れた機器だ。

なお本来であれば1の点から各計測点との高さ関係を求めて勾配を確認することが普通だがそんな大それた機器までは持ち合わせていないので今回は便宜的に上記の機器を用いることとした。
そのためあくまでも床勾配については参考値である。

こちらが実際に設置してみた様子。
写真のように床に置くだけで床の傾きが何度であるかを示してくれる優れモノだ。
なお普通0度であれば0度と表示されるはずだがこちらの機器では-0.4度がいわゆる0度になっていた。
(図と反対向きに設置しても-0.4度と表示されるため-0.4度がいわゆる0度)

以下に紹介する内容は全て本機器の計測結果を直に写しているだけなので0度と読み替えていただきたい。
なお表示された角度以外の部分については実際に計算から導き出しているため上記内容を読み替える必要はない。

ちなみに長さを測ってみた。
板目1枚(短手方向)の距離は0.194mと表示された。
本当かどうかを確認するために計測機器のすぐ隣に三角定規を設置した。
同じく19.4mmであったことから今回の計測に対しても十分に精度良く計測することが可能だ。

床勾配を算出

まず床勾配を各通り芯間で測定した。
読み方は凡例の通りで各通り芯で各方向毎に実際に計測機器を設置し測定した。
(緑着色部が計測結果)
単位の記載がないが単位は度だ。
前述した通り-0.4度=0度であるため例えば-0.6度であればその方向へ0.2度下っているということになる。
分かりづらいので以下に読み方を記す。

【X2-Y1の計測点】
右向きに設置した場合⇒0.4度(0.8度右側へ上り勾配となっている。)
左抜きに設置した場合⇒-1.3度(0.9度左側へ下り勾配となっている)
0.8,0.9度とそれぞれ異なった数値となっているがこれ以上細かく図るすべがないので計測誤差だろう。(内部で四捨五入などされているため誤差が発生すると思われる)

こんな感じで各所の床勾配を拾ってみると図中に示す通り想像以上に床ががたがたであることがわかるかと思う。
ひどいところだと1度以上も異なる部分がある。

こちらだけではわかりづらいのでコンター図にて床レベルを示す。

先ほどの勾配より求められたフロアレベルよりこちらのコンター図を作成した。
色が赤くなるほどフロアレベルが高く、青いほどフロアレベルが低いということになる。
なお等高線はフロアレベル1mmごとに記している。

わずか3m程度で約8mmの落差が発生していることがわかる。

まとめ

今回は床勾配についてパプアに住む筆者の宿舎を紹介した。
こちらに来てからつくづく思うことが日本の技術は大変素晴らしいということだ。
これは日本にいる限りまず感じることのできない経験だ。
というのも日本にいる限りはこの高い品質の中で過ごしていることもあり品質の高さ自体になかなか気づきにくいからだ。
今後もその他の日本の品質のすごさについて紹介したいと思う。

また今回の床勾配のように世の中には変な家が多数存在する。
以下の書籍にてどんな家が変な家なのかを理解しておくと建築のプロとして恥ずかしい思いをせずに済むだろう。

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