【設備設計者必見】排煙ダクトのHFD設置位置,耐火ダクト 2022.03.012023.04.08 【↓ダクト講座一覧↓】(プルダウン) ダクト設備 (34)【ダクトの基礎】 ①ダクトの役割と仕組み ②ダクトの材料 ③ダクトの吊りと接続方法 ④保温の必要性 ⑤空調ダクトと換気ダクトの違い ⑥様々なダンパー ⑦VDの役割と設置例 ⑧CDの役割と設置例 ⑨MDの役割と設置例 ⑩FDの役割と設置例 ⑪HFDの役割と設置例 ⑫SFDを設けるケース ⑬HFDの設置位置と耐火ダクト ⑭FDを設けるかダクト迂回か ⑮CAVとVAVの役割と設置例 ⑯ガラリの役割 ⑰ベントキャップの役割 ⑱制気口の種類と使い分け ⑲制気口BOXの役割 ⑳制気口の結露防止 ㉑保温内貼り、外貼りの使い分け ㉒ブリーズライン上部のBOX ㉓アスペクト比【ダクトの計画・大きさ】 ①ダクトの大きさの決め方 ②矩形ダクトとスパイラルダクト ③ガラリの大きさの決め方 ④制気口の位置の決め方 ⑤制気口の大きさ計算方法 ⑥制気口の大きさ計算ツール ⑦制気口ボックスの大きさ計算方法【ダクトの描き方】 ①ダクト図の描き方 ②制気口リストの作り方 ③ガラリチャンバーリスト ④ダクトの描き方_枝ダクト こんにちは。 普段排煙設備についてなかなか計画しない方にとっては排煙設備が大敵に見えてしょうがないはずだ。そんな排煙設備はいわゆる空調設備の中でも法的に最も重たい設備であることから少しでも計画を間違えてしまうと計画通知もしくは確認申請時、消防排煙であれば消防確認時に大きな指摘を食らってしまう。排煙設備の指摘内容は大小あるが比較的建築プランに影響を与えかねない変更もあり得る。そのため排煙設備の計画についてで困っている方向けに排煙設備の計画の基本を紹介したいと思う。今回は排煙ダクトのHFD設置位置および耐火ダクトについて紹介する。 なお排煙風量の計画方法についてはこちらで紹介しているため参照頂ければと思う。 【設備設計者必見】排煙風量の算定方法こんにちは。比較大規模な物件の場合建物内に排煙設備を設ける場合がある。例えば病院といった用途の場合や建物のフットプリントが大きく外壁に面していない室で100m2を超える居室の場合など様々だ。よほどの特殊な要件を除き大抵の場合は機械排煙とせず... コンテンツ 排煙設備計画排煙設備をより詳しく知りたい方へまとめ 排煙設備計画 図中のポンチ絵は基本的な排煙設備の概念を示している。排煙設備が必要な室、部分に排煙口を設けておりDSで合流し最上階に設置している排煙ファンにて排気を行っている。 ①計画のポイント -排煙ファンの設置位置-排煙ファンの設置位置は原則として屋上もしくは最上階に設置されている排煙口のフロアと同一フロアに設置が必要だ。というのも熱い空気はより上部へ逃げようとするため排煙ファンが効率よく空気を吸い込むことができないからだ。なお屋上以外に設ける場合は基本的に排煙機を屋内に設置することとなる。基本的に排煙ファンを排煙ファン用の単独の室で区画する必要がある。また区画されていない場合においては当該室内のダクトは耐火ダクトとするように指摘される可能性があるため留意が必要だ。ややこしい基準を極力簡略化するためにも明らかに屋上に排煙ファンを設置できない建物以外は原則的には屋上設置とすることが望ましい。(排煙ファンの設置位置は屋外設置もしくは屋内設置でも法規上どちらでも構わない) ②計画のポイント -HFDの設置位置-排煙ダクトが防火区画を貫通する度にHFD(high temperature fire damper)が必要だ。このHFDは通常の空調用ダクトに用いられるFD(fire damper)とはヒューズの温度が異なる。FDは通常72℃でHFDは通常280℃と設定されていることが一般的だ。当然火災発生初期の煙を排煙ファンにて吸引する性質上作用温度があまりにも低いと意味をなさないといった理由からHFDの作用温度が高く設定されている。なお後述する耐火ダクトを使用している部分についてはHFDは不要だ。その他枝ダクトについてはHFDが何個設けられたとしても差し支えない。 ③計画のポイント -耐火ダクト- 続いては耐火ダクトの使用範囲について。基本的に排煙設備を設置するうえで耐火ダクトが必要な場面は少ない。しかし例えば図のような場合。排煙ダクト用のシャフトが水平ダクトとなっている場合においては排煙主ダクトを耐火ダクトにする必要がある。 またその他非常用エレベーターを設置している直近の附室貫通の場合にも耐火ダクトで計画する必要がある。 排煙設備をより詳しく知りたい方へ 今回紹介した内容は基本的な内容ばかりだが排煙設備をより詳しく知りたい方はこちらの書籍をお勧めする。日本建築センターから出版されており今でも多くの方がこちらの書籍を頼りにしている良書だ。 新・排煙設備技術指針(1987)【直販商品】書店では販売していません。本書はオンデマンド版です。ご注文をお受けしてから作製いたしますので、お届けまでに1〜2週間程度お時間をいただく場合がございます。本書発行後の法令改正等には対応しておりません。最新の建築基準法や社会情勢の まとめ 今回は排煙設備の計画の方法について計画を紹介した。また基本さえ大きく間違えなければ計画通知や確認申請などでそれほど大きな指摘はないかと思われるのでまずは基礎から抑えられたい。(申請関係へは大きな影響がないとしても工事費には大きく影響が出る可能性が十分にあるので注意されたい)
コメント
いろんな情報がよくまとめられていて素晴らしいと思いますが、③の竪ダクトの最上部にHFDを設置するのはNGではないでしょうか。
(建築設備設計・施工上の運用指針2019年版P.119参照)
通りすがり様
コメント、ご助言ありがとうございます。
確かに建築設備設計・施工上の運用指針2019年版にご指摘頂いた内容の記載があります。
そのため紹介記事の内容を修正させて頂きます。
ご連絡ありがとうございました。