【概要】
消防用水は、火災発生時に消火活動を迅速かつ効果的に行うために必要な水を確保する設備である。消防用水の設置は、消防法および地方自治体の条例に基づき、その地域の防火対策における重要な要素として位置づけられている。多くの場合は計画敷地内に貯水槽(防火水槽)を設置することとなる。原則としては消防車内に設置されているポンプによって消火活動が行われる。しかし、貯水槽の設置位置によっては、建物側でもポンプを設置し、消火活動を手助けする必要がある。
【設計段階での確認事項】
設計段階での確認事項としては、まず、消防法状消防用水が必要かどうかを確認する必要がある。多くの場合は、建物規模によって消防用水の要否が決定される。また、敷地面積によっては複数の水源を用意する必要がある点にも注意が必要である。
所轄消防との打ち合わせで特に大切なことは、水源までへのアクセス性が挙げられる。水源の設置場所が消防隊員や消防車からアクセスしやすい位置に配置されているか、十分な通路幅が確保されているかを検討することが求められる。これには、建物周囲の道路幅や駐車スペースの配置も含まれる。
さらに、建物側でポンプを設置する場合は、消防用水設備の信頼性を高めるために、非常用電源やバックアップシステムの設置が重要である。停電時にもポンプや制御装置が作動するよう、非常用発電機や蓄電池を適切に設置し、定期的なメンテナンスを実施することが求められる。
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