【概要】
ドレンチャー設備とは、主に火災時に建物外部の窓や壁、屋根などを冷却し、火災の延焼を防止するための設備である。ドレンチャー設備は、大量の水を一斉に散水することで、建物の表面温度を低下させ、火災の熱による損傷を軽減する。ドレンチャーヘッドと呼ばれる散水ノズルが設置され、これらは火災を感知すると自動的に作動する。特に工場や倉庫、高層ビルなどの大規模建築物において、その有効性が高く評価されている。ドレンチャー設備は、スプリンクラー設備と併用されることも多く、建物全体の防火性能を向上させる役割を果たす。
【設計段階での確認事項】
設計段階では、消防署の予防課と計画している建物について必要な消火設備(防災設備)について、綿密な打ち合わせを行う必要がある。基本的には消防法に準じる形となるが、各自治体で定めている火災予防条例や運用基準等にも従う必要がある。歴史的建造物の修繕や改築以外の理由でドレンチャー設備を導入することは少ないが、ある程度規模が大きくなると、スプリンクラー設備を導入することも多い。着工する前に建築確認申請を行う必要がある。申請済証を取得後、建物の着工を行うことができる。この建築確認申請時には、消防にも申請資料が展開される。消防が計画概要および消火設備(防災設備)について同意した後に申請済証が発行される。そのため、事前に消防と綿密な打ち合わせをしておかないと、思わぬ指摘が発生する場合が多いため注意が必要である。
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