【概要】
衛生器具とは、小便器や大便器、洗面器、水栓、流しといった水回り全般の器具のことを指す。これらは住宅や商業施設、公共施設など、さまざまな建物において、日常的に使用される重要な設備である。厨房においては、厨房用の流しや熱湯栓、混合水栓などが衛生器具に分類され、衛生面や作業効率を考慮した器具が求められる。また、実験施設では、化学水栓、緊急シャワー、緊急用の洗眼器なども衛生器具に含まれる。
衛生器具本体は、多くの場合、機械設備工事に含まれるが、そのデザインや機能性が空間全体の意匠性に大きく影響を与えることがある。そのため、衛生器具メーカーでは、さまざまなデザインや仕様の衛生器具を取り揃えていることが多い。例えば、洗面器には、台の上に後置きするベッセル型、台の上から埋め込むオーバーカウンター型、台下から埋め込むアンダーカウンター型などがあり、それぞれの空間や使用用途に応じて選定される。同様に、大便器にも、床置き床給排水方式や壁掛け壁給排水方式などの種類があり、設置条件やデザイン性に応じて選択することが可能である。また、技術的には、節水型や中水仕様など、環境負荷の低減を考慮した衛生器具が採用されている。
【設計段階での確認事項】
衛生器具は目に見える部分に設置されるため、機能性のみならず、そのデザイン性も非常に重要である。そのため、設計段階においては、意匠担当者との綿密な打ち合わせを行い、空間全体の意匠性や使い勝手に合った衛生器具を選定することが求められる。また、選定にあたっては、節水性能やメンテナンス性も考慮することが必要である。
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