【4コマ漫画】建築設備と『空調方式』

【概要】

空調方式は大きく「中央熱源方式」と「個別分散方式」に分けられる。中央熱源方式は、建物の一箇所に熱源機を設置し、そこから建物全体に供給する方式である。これに対し、個別分散方式は、家庭のエアコンのように、室外機と室内機が1対1で接続されている方式を指す(近年では、ビルマルチエアコンのように、1台の室外機に複数の室内機を接続できるものも存在する)。

特に、建物の規模が大きくなるほど、中央熱源方式が採用されるケースが多い。また、研究所や病院などの特殊施設では、室内温湿度条件が厳しい場合が多く、そのような場合にも中央熱源方式が使用される。中央熱源方式は、冷温水を熱媒体として利用し、大きな空間でも室内を均一に空調することが可能であるため、これらの特殊施設においては特に有効である。

一方、事務所ビルなど、特別な室内温湿度条件が求められない建物では、個別分散方式が多く用いられる。

【設計段階での確認事項】

まず、「室内温湿度条件」や「人のための空調」、「機器のための空調」などの与条件を正確に把握することが重要である。そのうえで、計画中の建物に「中央熱源方式」と「個別分散方式」のどちらが適しているかを施主に提案し、説明する必要がある。また、コストについても説明することが求められる。一般的に「中央熱源方式」よりも「個別分散方式」のほうがコストは安価であることが多いが、要求される空調与条件を考慮し、総合的に判断することが望ましい。

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