【概要】
排煙設備は用途や階数、延べ面積等様々な基準により、要否が決定される。特に非住宅建物の計画を行う場合はほぼ必須設備と言っても過言ではないだろう。排煙設備は大きく自然排煙と機械排煙に大別される。自然排煙とは、煙の重力を利用して排煙方式で、有事の際には窓(排煙窓という)を開けて排煙を行う方式である。一方で機械排煙とは、ファンにより強制的に室内の煙を屋外へ排出する方法である。
排煙設備を設ける場合は、基本的に排煙口や煙感知器等がセットで導入される。煙感知器で煙を感知すると、結果的に排煙口が自動で開き、排煙機の運転が開始される。
【設計段階での確認事項】
設計段階で意匠担当に機械排煙とするべき室があるかどうかを確認することが重要である。なお、何らかの理由がない限り、原則として自然排煙として計画することで、防災設備に極力費用を費やさずに計画を行うことも重要である。特に排煙設備を始め防災設備に費用を費やすほど、本来あるべき建物の機能に費用をかけられなくなる。また、防災設備は有事の際にしか使用するものではなく、年次点検などの法定点検も義務付けられる。建物を運用する方からすれば、全くメリットのない設備であるため慎重に計画する必要がある。
また、機械排煙を計画する際には排煙ダクトも必要となる。ほとんどの場合、排煙ダクトはかなり大きなサイズとなることが大きく、階高への影響も大きい。そのため、ある程度設計初期段階から意匠設計者と十分に打合せの上、階高を決定することが重要となる。
コメント