【概要】
夏期は暑く、冬期は寒い。そのため、夏期には冷房を導入し、冬期には暖房を導入する。これは室内に熱負荷が発生していることが要因である。熱負荷とは大きく、人や照明、什器、日射、外気等によって発生する。例えば照明は明かりを確保するために、常に発熱している。また、パソコンも同様に、パソコン本体を動かすために常に発熱する。建物には換気が必要であるため、冷たい空気が室内に侵入すれば、その分暖房を行う必要がある。この熱負荷を積み上げることを、熱負荷計算といい、この熱負荷計算に基づき冷房能力や暖房能力を決定することが一般的である。
一日の熱負荷の傾向は方位によって異なる。例えば、朝方は東面の熱負荷が大きく、夕方は西面の熱負荷が大きい。そのため、中央熱源方式を採用する場合における、熱源機の機器能力はこれらの熱負荷の傾向を考慮することが望ましい。熱負荷の傾向を掴んだうえで、適切な熱源能力とすることで、必要最小限の熱源機を選定可能となる。
【設計段階での確認事項】
設計段階で熱負荷を把握するためには、各室の諸元表を作成する必要がある。例えば、室内には何人が在室するかや、照明の明るさを決定したりなどを整理する。各室の与条件を決定することで室内熱負荷の積み上げが可能となる。
また、特殊な機器を扱う室がある場合は、これらの機器の発熱量も整理する必要がある。特に大型機器の場合は、発熱量が大きい傾向となることも多く、冷暖房能力を選定する際には見逃してはいけないポイントとなる。
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